ネットフリックスオリジナル「トロール」の感想です
<あらすじ>
ノルウェーの山間部で、爆破により長い眠りから
呼び起された古代のトロール
首相の科学顧問に任命された古生物学者が
壊滅的な大惨事を阻止すべく未知との戦いに果敢に挑む
(↑ネットフリックスの紹介文ママ)
<感想(ネタバレあり)>
まずこれ第一に怪獣映画で、みんな怪獣が暴れる
ところを観たくてクリックしているはずなのに
怪獣の登場をもったいつけて、途中までチラ見せで
ちゃんと怪獣が登場するまで35分くらいかかってます
そこまで怪獣が実在すると信じて精神を病んだ
父親との確執の話をして、「妄想だと思ったら現実にいたんだ」
という展開は「未知との遭遇」っぽいですね
じゃあこっから親父が主役なの?
と思っていたら親父死亡!
「え、何がしたいのこの映画?」って困惑しました
それとここまでで壊したのが「老夫婦の家」と「遊園地の施設」
でこちらとしては「もっと派手に壊してくれよ!」と
フラストレーションが溜まりますね😩
しかもこの映画、ネットフリックスオリジナルですが
ハリウッド映画っぽく怪獣は子供を殺さない
ここ、伏線なんですけど容赦のない破壊と殺戮をして欲しかったです…
首相は「力づくで止める」と空爆を決断する
主人公の古生物学者は父親の遺品から怪物
がオスロに向かっている理由を突き止めて
宮殿に向かいます
北欧にキリスト教が広まった事と関係していて
オーラヴ2世(歴史上実在した人物)によってトロールという
土着の神話を排除するために、家族や仲間をおびき出して
殺し、その遺骸が埋まっていてその遺骸に会う為、家に帰る為に
向かっているのだと明かされます
終盤、怪物をおびき寄せる為に子供の遺骸をおとりにして(!)
紫外線照射装置までおびき寄せ弱らせたのち
日の出になりトロールは死亡
こうしてみると「一番の怪物は人間」ですよねやっぱり…(-_-;)
<怪獣は怨念の化身>
トロールは家族に会いたいから遺骸のある
首都に向かったんですけど、それは同時に
「よくも家族を殺したな!許さん!」という怨念も
あるからです
怪獣映画で怪獣は怨念の化身なんですよね
代表的な怪獣映画ではもちろん「ゴジラ」ですが
ゴジラは「太平洋戦争で死亡した人たちの怨念」で
要するに、終戦後日本は高度成長期に入って経済的に
浮揚するけど、それまでに多くの犠牲を出していて
その人たちはもう死んでいて彼らはその恩恵に預かれない
「お前ら、俺たち私たちはあの戦争で死んじゃったのにズルいぞ」
っていう怨念が怪獣の形をなして襲って来ている訳で
「トロール」ではてっきり力ではなくなにがしかの
慰めというか癒しで怨念を手当するのかと思ったら
結局「日の光による消滅」という「排除」で決着していて
それはどうかと思うんですけど
「肥大化した危うい科学技術の象徴」でもあるので
同じ危うい科学技術「オキシジェンデストロイヤー」と共に
心中の様な形で鎮められるので、それを踏まえてもらえれば
もう少し気の利いた終わり方もあって良かったのでは?
「トロール」の最後で「洞窟の奥とかにもっといるのかな?」って
台詞があるんですけど、これは要するに
この映画の興行成績が良かったら続編も有りだよね?っていう
ヤラシイ話なんでしょうが、一応初代「ゴジラ」の
ラスト「あのゴジラが最後の一匹とは思えない」のセリフのオマージュですよね
怪獣映画が観たくて飢えている方には
おススメです\(^o^)/