百合漫画は好物ですが、まさかのシニア物!
<あらすじ>
長年連れ添った夫を亡くした、はな代
独り身で化粧品専門店を営む芳子
まったく違う人生を歩んできたふたりが
おばあちゃんのいまだから出会い、惹かれあい
互いを知っていくことにー(Amazonの紹介ママ)
<感想>
まず夫を亡くしたはな代さんですが
高齢で、いわゆる「人生のタイムリミット」を
嫌でも意識せざるを得なくなって焦っている
そして無くなったはずの夫の声が聴こえてきて
これは幻聴とかでは無くてもう少し後で説明します
一人の買い物は久しぶりのはな代さん
そこで化粧品店の店員芳子さんを
一目見て「綺麗」とつぶやきます
その後の夫と一緒に買い物に行った過去の描写がありますが
はな代さん、すみませんがあなたの夫は
あなたを一人の尊厳のある女性とは見ていませんでしたね
重いだろうに、買い物袋を一個も持っていません
はな代さんも夫を表現するのに「金魚のフン」と
たぶん無意識にそういう言葉を使っている
そして芳子さんとの会話、服装が対照的
芳子さんの勧めで化粧をするはな代さん
「だんなにみっともないと言われそうで」という
はな代さんの言葉に「はっ?」とマジ切れする芳子さん
はな代さんのかわりに怒ってくれるのは
「そんなこと言われたのなら怒っていいんですよ」って
気付かせてくれているんですよね😊
またはな代さんの過去に戻って、夫が
「今更なに塗ったかておんなじやろ~(あはははは)」
という無神経な言葉を妻に投げつけます
もうお分かりのとおり、夫は妻であるはな代さんに
「呪い」をかけていますね
はな代さんも言っているように悪い人では
ないんでしょうけど、かえってそれが悪質で
彼女に「お前はこうだ」と決めつける事で型に嵌める
そして気が付いたらシニアになっていた
その後帰宅しても夫の心ない言葉が思い浮かび
たまらず「このハゲー!?」と激高します(いいですね!)
でもまだ仏壇に手を合わせてしまうやさしいはな代さん
どうも夫に一度もそんな事言ったことが無かった模様
そして化粧を通じて自分の魅力に気づき
孫娘の協力もあって芳子さんに会う為だけに
オシャレをします
もうはっきりと言ってしまいますけど
彼女は夫によって尊厳を貶められ、長年人生をスポイルさせられて
しまったんです
これ以降も死んだ筈の夫が現れてははな代さんに
ダメ出しをしますが、これは自尊感情を下げられて来た
ことによる「呪い」ですね
ですがはな代さんは少し勇気を出して自分を変えていきます
芳子さんとの初デート、待ち合わせた駅の改札口で
クールビューティーな芳子さんがうっかりミスをしますが
それも魅力的、ここは「完璧な中のほつれ」なんで
芳子さんと付き合っていくうちにはな代さんは
残酷な事実をわかってしまう、「自分が視野狭窄に陥っていた」事を…
ここで1巻が終了です
2022年12月の時点では1巻までですが
これは次巻が楽しみになるじゃないですか!😆