いわゆる「ブラック・ライヴズ・マター」がテーマ
の、32分のタイムループ物です
<あらすじ>
タイムループに閉じ込められた男が
愛犬の待つ自宅に戻る途中で、警官ともめて
殺される恐怖を何度も繰り返す
<感想>
タイムループ物は好きなジャンルですが
普通この手の映画だと、主人公はタイムループを
抜けられて物語は終了するのですが
まるで死に覚えゲーみたいに何回も白人警官に
理不尽ないちゃもんをつけられて殺されます
またその白人警官がナチっぽい表情で
本当に嫌な感じなんですよ
主人公のカーターは何回も殺されては
朝起きたところから繰り返して
なんとかこのループを抜け出そうと試行錯誤して
白人警官メルク巡査と話し合う事で
状況を打開しようとします
家までパトカーに乗せてもらい
メルクは運転席、カーターは後部座席でそこは
捕まった人が座る場所、溝は埋まっていない
みたいだが会話が弾んで悪くない雰囲気
そして家のすぐ近くまで到着して、カーターは
メルクと握手して帰宅しようとするが
ここでメルクが突如拍手して「名演だったよ、楽しませてもらった」
と言い放ちます
なんとメルクもタイムループしていた!😩
また射殺されるカーター
また最初に戻ってカーターが「俺は絶対に犬の待つ家に帰る」
と観客に向かって宣言してEND
そこから理不尽に殺された黒人たちの名前が
何人もリストアップされていき
最後に「ジョージ・フロイド、買い物に出かけていた」
彼は警官が上に乗っかって窒息死させられた人
カーターがいちばん最初にされた殺され方はジョージが
された事を再現していた事がわかる
カーターがタイムループで何度も殺されるのは
現実に理不尽に殺害された黒人達がいた事を
観客に伝える為、彼らを追悼する為
ブルース・ホーンズビーの「ザ・ウェイ・イット・イズ」が流れる
歌詞は著作権の関係で自分で検索してください
スタッフロールの最後に2パックの言葉
「隔たる世界の2人ではなく、一人の人間として俺を見てほしい」
カーター役のジョーイ・バッドアスはラッパーでもあり
影響を受けたアーティストの一人である
射殺された2パックへ哀悼の意を表しているんですね
映画のタイトルは、もちろん白人と黒人の
人種間の軋轢を表しています
「ブラック・ライヴズ・マター」とは
黒人が白人から理不尽な仕打ちを受けたことに対する
反抗運動で(通称BLM)、2020年には全米各地に広がったもの
つまり「俺たち私たちは、あなたたちと同じ人間なんだから
平等に扱って欲しい」という当たり前の事を訴えかけている
映画ですが、それを表現しなければならないほどアメリカでは
分断が深刻化しているということ
これは人種間の問題に限らず、支持政党や政策でも対立が
あるのが現状ですよねー…
これはアメリカだけの問題でも無くて、もちろん
世界のどの国でもある問題なので、だからこそ
アカデミー賞短編映画賞も納得
<終わりに>
「ちょっと短編映画観てみるか」と軽い気持ちで
観始めたら、なんかガツンとやられましたね!
おススメです\(^o^)/