リュック・ベッソン監督、アンヌ・パリロー主演のアクション映画です
<あらすじ>
薬局に強盗に入ったニキータ達は
その最中警官を射殺してしまう
終身刑の判決が下され護送されるが
そこは政府の機関で、彼女はここで訓練を受けるか
そもなければ死ぬかの二択を迫られる…
<感想>
という事ですが、その経緯が描写されていませんよね
たぶん最初は消耗品として利用するつもりだった
施設のベッドで目覚めるシーン、母親の
体内から出るイメージなので文字通り
「一度死んで新しく生まれ変わって」いますね
それまでの記録を消されてますし
壁が最初真っ白で、その次落書きになり
最後落書きが消えて落ち着いた雰囲気の部屋に
なったのは彼女が変化しているという演出
でも担当官に女の身だしなみやふるまいを
教わった筈なのに、ガラが悪いまま
これは表面だけ取り繕う事しか出来ず
本質は変わっていないのかも
卒業試験のシーン、厨房のダストシュートから
脱出してゴミ箱に入る場面は
暗殺者としての彼女が生まれたんだと
そのあと「ジョゼフィーヌ」という女性名が
与えられていますしね
ここで使用される銃がデザートイーグルですけど
女性が扱うには無理がありますが
まあここは「カッコイイから、カッコイイは全てを解決する」
みたいなノリで持たせたんでしょう
その後漫画やアニメで女性キャラにでかい銃持たせるのが
半ばデフォみたいになりましたよねー😅
ニキータはボブにキスをする
「これが最初で最後のキスよ」と言う
目をしばたたかせてうろたえるボブ
ボブはニキータに才能があると見込んで
スカウトしたのではなくて、もしかしてニキータに
一目惚れし、死なせたくなかったから死んだ事にして
施設に迎えたのでしょうか?
それはボブがニキータの部屋に張り付けた
絵画にヒントが隠されている
絵画はエドガー・ドガの「エトワール」
Youtubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」によれば
「エトワール」で描かれたバレリーナは、当時は
金持ちの愛人に選ばれる為にバレリーナを目指していた
この絵をボブが張り付けたのはニキータを
愛人として見ていた、愛人にしたいと思っていたと
誕生日に持ってきたケーキをニキータに食べさせて
自分は食べないのは「フード理論」的には
「一緒に同じ物を食べないのは仲間ではない、親しくはならない」
と解釈出来るので、ボブがフラれるのは確定しているんですね
↑映画観賞時に映画内に出て来る食べ物に焦点を
当ててみると面白い物が見えてきます
施設の外に出る事を許されて爆買いするのは
彼女の解放感を表現してるんですよね
そこで知り合ったスーパーの店員と付き合うのは
正直唐突で、ここはやはり彼女の育ちの悪さというか
本来の獣性(訓練する人の耳に嚙みついたり)が
出て来てますね、肉食系女子といいますか…
彼女に訓練を施した施設は、ある種の更生施設として
機能した面はあった
けど訓練されている筈なのに、何故ニキータは感情の
抑制が出来ないままなんでしょうか?
最初薬物中毒になっている彼女は無感情
そしてまず取り調べしている警官の手にペンを
突き刺すというに怒りを表現する
その次、組織での訓練の一環としてだけど
彼女は笑顔を作る、たとえ作り笑いでも
ここで笑顔になる
彼女はよく泣くんですけど、話が進行するにつれて
涙の意味が変わっていきます
最初は自分が死にたくない恐怖で泣く
終盤の、マルコが彼女の正体を分かった上で
なおも愛してくれるが
彼を巻き添えにしたくないから別れるしかない
そして涙を流しますが、これは自分が彼と別れたくないという
意味と、彼が私と離れて寂しくなりはしないだろうかという
他人を思いやって流す涙になっている
彼女は最初無感情だったけど怒り、泣き、笑い、そして失う
自分以外の誰かを大切にすることが出来る様になって
マルコと会えなくなるという喪失を経験し、彼女の人間性は
回復するという成長物語だったんじゃないかと
まあ人を殺していますが、あれは社会に出て仕事を
しているということなのかと😅
<余談>
掃除人ヴィクトルは漫画「闇のイージス」のゼロっていうキャラの
元ネタなんですよねー
ここで注目されたのかどうか知りませんが
「レオン」では主役を務めます
このニキータ、元のヴァージョンの他に
「アサシン」というタイトルでハリウッドリメイクされたり
テレビドラマ版では、マギー・Q主演でもリメイクされています
ですが、実はもう一本ありましてカナダで
製作されたテレビドラマ版があります
こちらはペータ・ウィルソン主演で
最初のあらすじだけ同じですが、あとは
オリジナルで話が展開していきます
全部で5シーズンありますが、私は
1stシーズンを推しますね
最後がいいんです
ボブ役に準じるマイケル(またしてもケツアゴ)
というキャラが出て来ていて(演者はロイ・デュプイ)
彼がニキータの担当官になるんですけど
二人は相思相愛になっていく
でもそこでの任務は過酷で、失敗すれば組織から
「使えない」とされて処分されてしまう
ニキータの場合能力的には問題が無いけど、組織に従わない
のでやっぱり消されかけるのですが
マイケルがこっそりとニキータに「君は自由だ」といって
死んだ事にして彼女を逃がしてくれる
ボブと違って守ってくれるんですよね
1stの評判が良かったからかわかりませんが
その後第5シーズンまで作られて、最後元の映画と全然違う
終わり方をして、私的にはオリジナルを超えたと思ってます
昔の作品なので入手困難ですけど、1stだけでも
視聴することをおススメします!