ある悪夢のような事件を追ったドキュメンタリーです
※内容がエグイので視聴する際はコンディションを
整えてから観てください
<内容>
道路脇で瀕死の重傷で発見された後、幼い息子と夫を
名乗る男、不可解な謎を残して亡くなったひとりの女性
この事件をきっかけに明らかになった、悪夢のような
真実に迫る
<感想>
前半辺りまでは良くあるDV夫の犯罪かと
思ってましたが、違いました
もっとおぞましい事件です
まわりから夫だと思われていた男は実は
父親で、つまり近親相姦だった!
と、思ったらもっとヒドクて
ソイツは父親ですらなくて、なんと
子供の頃誘拐してきた女の子を
最初親子のふりをして偽名を使って
いたが、夫婦の方が都合がいいとして
結婚させられる
その間5歳くらいの頃から虐待をしていた
犯人の本名は「フランクリン・フロイド」と捜査で
判明し、フロイドが怪物になったのは
彼が少年時代に暴行を受けたことによるものだった
娘であり妻にさせられた彼女、シャロンは賢くて
高校に通っている時成績優秀で
周りの人の評判もよく
将来にも展望があったのに
妊娠が発覚してその夢は閉ざされる
息子のマイケルは、父親が誰なのかは
わからずじまいですが、シャロン(偽名)は
その子を虐待することもなく愛する
おそらくストリップ劇場で働かされて
フロイドから客を相手しろと強要された時に
出来た子供
普通は自分が虐待されたら子供にも
その不健康なコントロールを「移譲」するもの
なんですが、シャロンはそんなことはせずに
彼を愛した
このことは彼女がとても強い女性なのがわかって
なおさら殺されてしまった無念が際立ちます
映画のタイトルの「写真はその闇を語る」ですが
大半の写真の彼女は明るい笑顔
子供の頃の、つまり誘拐されたあたりの彼女の写真だけが
闇を語っていて、「典型的な虐待被害児」の表情
彼女が何故通報しなかったのかはおそらく
恐怖で心理的なブロックがかかっていて
行動出来なかったんでしょう
息子のマイケルはどうなったのか、FBIによる
取り調べで、フロイドが射殺したと自白し
死体を捜索するが結局見つからない
あまりにもヒドイ事件で暗澹たる気持ちに
させられます
後半で彼女の本名が調査により分かって
彼女の名は「スザンヌ・マリー・セバキス」
死後27年経過して墓に本名が刻まれます
彼女が関わった多くの人達がお墓に
花を供えて、死後にやっと尊厳が
回復する
「無垢な存在が惨たらしくも殺害される」という
共通点だけ見ると「ザカリーに捧ぐ」を思い出します
どちらも結末に救いが無さすぎて
どうしようもない気持ちになります
ですが、残された人達が彼ら彼女らを
覚えていてくれるのはかろうじて救いがある
のではないかと思いたいです😭