にきさんすけのバラエティショップ

通販商品やいろんなカルチャーを紹介してます

文字通りのスティーブン・キング直系、電話出て!視聴後に訪れるジュブナイル感 映画「ブラック・フォン」感想(2022年公開)

ジョー・ヒル原作の短編ホラー小説「黒電話」の映画化です

 

監督:スコット・デリクソン(「ドクター・ストレンジ」)

youtu.be

 

原作はこちらに収録されてます

 

<あらすじ>

舞台は1978年、コロラド州デンバーのとある

町では”グラバー”と呼ばれる者の

子供の連続失踪事件が起きていた

 

内気な少年フィニーは通りすがりの

男に「マジックを見せる」と誘われるが

ソイツがグラバーで、彼は地下室に閉じ込められる

 

そこにあった線の切れた「黒電話(ブラック・フォン)」

から、死者の声が聴こえて来る…

 

<感想>

まず映画の時代設定が1978年なので

今の人は知らない、この映画のキーアイテム「黒電話」

が出て来ます

 

有線の通信機器なのは、そうじゃないと

この物語が終了できないからで

だから時代設定が1978年であると

 

妹のグウェンは予知夢を見る事が出来ますが

フィニーは黒電話を介して死者を見たり交信

出来たりするんですよね

 

閉じ込められた地下室は、彼の心象風景でもあり

彼の父親テレンスが、音を立てるとおそらく

怒鳴るか暴力を振るっているんでしょう

黒電話が鳴るのが聴こえるのはフィニーだけ

 

テレンスが妹をベルトで鞭打つのは、彼の妻が

同じような幻視能力を持っていて、その為に

身を滅びしてしまったが故に、娘を失いたくない恐怖の

裏返しでそういうことをしている

 

グラバーがテレンスと同じくベルトを鞭の様にして

いるのは、フィニーがグラバーを父親であるテレンスに

投影している事の表れですね

 

劇中グラバーがベルトを使ってフィニーに暴行する

シーンが無い事からも分かる通り、フィニーが

グラバーをテレンスに投影しているからベルトを

持っている様に見えるんだと

 

グラバーのマスクの意味は、フィニーが

グラバーに恐怖している事の象徴で

終盤でマスクの一部が喪失しているのは

フィニーが恐怖を克服しつつあるから

 

脱出不可能と思われていた地下室で、黒電話を介して

死者からアドバイスをもらい、脱出の糸口を見つけていくのは

なんかアドベンチャーゲームっぽいですね

 

まあ映画の影響を受けてアドベンチャーゲーム

作られたりしたので、ここは逆転現象を感じます

 

死者たちが「名前を忘れた」「最初に奪われる」と

いうのは「事件が風化していき、人々の記憶から消えていく」

事を指していて、彼らの生前の映像が劇中差しはさまれるのは

「僕達、俺たちの事を忘れないで」という演出

 

フィニーは死にそうな目に遭って、そこから

反撃することでいじめられっ子であったのを辞めて

 

黒電話の上にロケットのおもちゃを

置いたのは「子供らしさ」を捨てた事

つまり「他の同級生よりも早く大人になった」という事

 

最後、黒電話でグラバーにトドメを刺すのは

死んでいった5人の敵討ち

 

妹の幻視能力のおかげで警察が駆け付け

事件は解決する

 

父親が兄妹に謝罪して改心したのは

自分にとって大事なものが何かを

失いかけてやっと気づいたから

 

そして、フィニーは殺人を経験したので

もう彼は以前とはまったく別の

存在になって帰って来る

 

生徒が「2メートルの男かと思った」と言っているのは

そういうこと

 

そして最後、片思いの少女ドナに「フィンと呼んで」

と言ってエンディング

 

視聴後になんか子供が5人、大人が2人死んでいるのに

ジュブナイルっぽいな、とか

スティーブン・キングっぽいなとか

思ったら、作者のジョー・ヒルさんって

スティーブン・キングの息子なんですね

 

黒電話が懐かしいと思うかどうかは

世代によりますね!おススメです\(^o^)/