山田風太郎先生原作小説の映画化作品です
<あらすじ>
2万人のキリシタンが惨殺される
徳川に復讐する為、この世に未練を残した
剣豪達を自分の味方に引き入れて転生衆にしていく
柳生十兵衛は彼らにたったひとりで立ち向かっていく
<感想>
私は原作の小説よりも先にこの映画で魔界転生を
知ったので、後で原作の小説を読むんですけど
なんか違和感を感じちゃいました😅
小説版のラスボスは宮本武蔵なんですけど
映画では途中で退場、しかも武蔵が小次郎にした
若干ズルい戦い方「わざと遅れて小次郎の精神を乱す」
を「お通の姪に笛を吹かせて武蔵の精神を乱される」という
因果応報的な最期で(しかも自分の木刀で頭を割られるw)
この映画の成功は、豪華キャストのおかげでも
ありますが、やっぱりラスボスを天草四郎に据えて
俳優に沢田研二さんを起用したのが大きいのではないかと
小説版では、転生させるのは小西行長の遺臣である
「森宗意軒」と「由井正雪」ですが、この2人の
役割を四郎に一本化したのも、映画の尺(2時間2分)
的にも話のテンポがスピーディーになった
あと女優さんが脱いでくれるんですよ(;'∀')
いまだとそこらへんの表現はマイルドにして
誤魔化してしまうんでしょうけど、この時代は
しっかり裸を見せてくれて、エロスと暴力の
対比で禍々しさが浮かび上がるというか…
改めて観なおすと、ゾンビ映画なんですよね
ただ普通のゾンビでは無くて、自分の生前の無念を晴らす為に
死者が蘇える
ちゃんと意識があって、生前よりも力が増していて
さらに歴史上有名な剣豪だったりするので、始末に置けないんですけど😅
時代設定は違いますが、「鬼滅の刃」に影響を与えてますよね?
その転生衆を迎え撃つのは、山田風太郎小説内最強の
柳生十兵衛は彼のはまり役で、当時は彼以外には
考えられないほどぴったりなんですよ
最終決戦は天草四郎ですが、実質のラストバトルは
燃え盛る江戸城内で両者は戦いますが
このシーン、実際にセット燃やしているんですよね
迫力ある映像が撮りたいのでそうしたと
今だと消防法とかうるさいから撮れないんでしょうねー😅
宗矩との親子対決を制し、最後四郎の首を斬るんですが
生物では無く魔界の存在なので死なず(!)
自分の首を脇に抱えて「何度でも蘇る!」と捨て台詞を残して去る
「神様は死んだ、悪魔は去った(去ったという事はまた来る)」
という結末
物語上、幕府側は民衆の訴えを暴力でねじ伏せるので
観ていると四郎側に感情移入するんですよ
彼が転生衆を勧誘するのも
生前の無念を晴らしてくれてる様に見えるし
実際、転生衆はそれぞれの願いを叶える事が出来て
最後、将軍殺して江戸城は炎上して復讐は
成し遂げられてますからね😆
十兵衛なんですけど、彼はろくでもない体制側の
為に戦っているので、千葉真一さんがカッコイイから
誤魔化されてますけど、感情移入は出来ないんですよね
映画の公開が1981年で、反体制運動の季節はとっくに
終わっていますが、ここらへんはその残り香みたいな
物を感じます
<時代を経て、コンテンツを超えて作られ続けている理由>
沢田研二さんと比べると、申し訳ないけど役不足の感は否めませんね
こちらは「荒木又右衛門(加藤雅也)」とか
出してくれますが、尺も短くて(1時間45分)消化不良な感じ
Vシネマ版もあって(1996年公開)
DVD化はされていない模様
転生衆に「田宮坊太郎(新井つねひろ)」が出て来ます
ゲーム「Fate stay night」の元ネタ
でもあるんですが「歴史上の有名人を蘇らせる」という
要素を抜き出して製作されたんですよね
ゲームアプリ「Fate/Grand Orde」で歴史上の人物なら
誰でもいいみたいに出しちゃってるみたいですが
(もう私はゲームアプリが出来ないほど脳の処理能力が落ちたので
情報でしか知りません)、さらに「女体化」まで
女体化してるから今更なんですけど、そろそろどこかから怒られ
ないのかいらん心配をしてます(^^ゞ
「魔界転生」は漫画化もよくされていて
石川賢版
とみ新蔵版
と、いろんな漫画家さんにコミカライズされていて
この作品が永く愛されるのは、それだけ
魅力的な要素が詰まっているから
昔の映画で、今の映像と比べると
画面がざらついていますが
それも含めてこの映画の魅力なので
Fateでこの作品を知った方は、映画も観ておくのをおススメします\(^o^)/