にきさんすけのバラエティショップ

通販商品やいろんなカルチャーを紹介してます

たとえ生まれ変わっても、この世界でやり直したくない僕ら 「異世界転生もの」という症例報告

もうとっくに誰かが言っているであろう

異世界転生もの」について、極めてベタな事を書いてみます

 

なんで、彼ら彼女らは異世界に転生するんでしょう?

なんでタイムスリップしてこの世界でやり直さないんでしょう?

 

「タイムトラベルもの」の原型といえば

ハインラインの「夏への扉」だと思っていて

 

 

この作品では、主人公は仲間だと思っていた奴に騙され

ヒドイ目にあうけど、まず未来に行き、そして過去に行って

過去を改編し最後未来に行ってハッピーエンドという形で

名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTTF)」

の元ネタです

普及の名作なので、未視聴の方はぜひご覧ください

 

BTTFの主人公マーティ(マイケル・ジェイ・フォックス)は

自分の親がティーンエイジャーだった時代にタイムスリップして

そこで会った自分の父親を母親と結ばせて、現代に戻って来たら

家庭と周りの環境が好転していたって展開

 

タイムトラベル物では、赤ん坊からやり直さず

あくまでも時間を過去や未来に行って

現在に戻って来たりするんです

別の世界、いわゆる「ここではないどこか」には行かないんです

 

異世界転生ものは、細分化されて一概にこうとは

言えないんでしょうが、「主人公は何かの事故で異世界に転生し

転生前の記憶を保持しながら、赤ん坊から始まり

その世界で人生をやり直す」とあえて定義します

 

典型的な作品は「無職転生」になりますかね?

 

「赤ん坊から人生をやり直す」ならば、なんでこの世界で

いちからやり直したいと「思えない」のか?

 

それは読者が「生まれて来たこの世界が嫌いだから」

 

我々の生きているこの世界が嫌いでは無いのなら

「もう一度人生をやり直したい」という

願望充足の為の作品となりますが、異世界転生もの

が乱立しているのは、「たとえこの世界を、前世の記憶を

持って(チートして)も、世界そのものが善きものに見えず

しかも自分がいようが居まいがこの世界になんら良い影響を

及ぼす事が出来ない無力感があり、孤独のままなんだ」っていう

感覚があるんじゃないかと考えてます

 

日本の異世界転生ものの始祖というか、オリジナルは

聖戦士ダンバイン」だと思っていて(1983年放送)

 

この当時はまだ、主人公のショウ・ザマは家庭に

問題を抱えているのに、異世界から現実世界に戻るんです

本人が望むと望まざるとですが

 

そこで彼の機能不全家族が出て来て、ショウは

家族の為に自分を偽ってあげて別れる

 

つまり彼は自分を犠牲にするんですけど

現在ではもう「自分はそんな事はごめんだ」とばかりに

現実世界には戻らず、異世界に行きっぱなしなんですよね

 

異世界転生ものを消費する態度は

要するに「眠っていたい、眠ったまま目覚めずいい夢を見続けたい」っていう

願望を充足するためのサプリメントなんだと

 

つまりこれはある種の「症例報告」で

「この世界って生きづらいよ」っていう警報が

鳴っているって事なんじゃないかと

 

異世界を「ここではないどこか」って定義すると

まあそんな世界は無いんですけど(-_-;)

 

それはつまり「あの世、死後の世界」って事で

異世界転生ものをこじらせるとおそらく「あの世に行きたい」って

なってしまうので、かなり危うい社会状況を表現していると結論します

 

この記事書いててどんよりして来ました😫