同年公開された「トップガンマーヴェリック」の割を食った
戦争映画の感想です
タイトルの意味は「献身」
監督:J・D・ディラード
主演:ジョナサン・メイジャーズ
グレン・パウエル(トップガン・マーヴェリック)
<あらすじ>
1950年、アメリカ海軍初の黒人飛行士ジェシー・L・ブラウン
と彼のウィングマン、トム・ハドナー
朝鮮戦争下でふたりの絆を描いていく
<感想>
公開した年が悪かったというか、同じスカイアクション
映画なら、あの「トップガン・マーヴェリック」があるので
分が悪過ぎるんですよねー😅
ハドナー役のグレン・パウエルは
「トップガン・マーヴェリック」でも
パイロット”ハングマン”を演じてますね
向こうは現代のジェット戦闘機のスカイアクション
ですが、こちらは「F4U(愛称コルセア)」という
レシプロ戦闘機が主役なので、テイストが違うから
完全にかぶっている訳では無いんですが…(;'∀')
ブラウンがハドナーとの初飛行で、彼を試すような
飛行をして少しだけ険悪になりますが、バディ物で
最初に険悪になるのはいい兆候で、逆に見ていて
「このふたり、いいコンビニなるな」と安心しました😊
やっぱり人種問題が出て来て、1950年という公民権運動前なので
あまり露骨に描写してないけど、ブラウンが
今まで自分が言われた悪口を手帳に記載して、鏡に
向かってそれを自分に言い放ち、闘争心を高めているのは
見ていて痛々しく、不健康だからやめた方がいいんですけどね
空母の着艦で、LSO(着艦信号士官)の指示に従わずに
ハドナーと比較してブラウンが上手く着艦出来なかったのは
LSOを当時の人種間の生育環境の違いを象徴させていて
「ルールに従って生きて来た白人」と「ルールに逆らわざるを
得なかった黒人」を対比させています
フランスに赴任した時にエリザベス・テイラーに会ったり
仲間とギャンブルをして、嫌味を言う海兵隊員と喧嘩をしたりして
ブラウンとハドナーの絆が深まる
ブラウンを「ジャッキー・ロビンソン(黒人初のメジャーリーガー)」
に例えているのは、彼が黒人初の海軍飛行士だから
空母の黒人乗組員にとって、彼は希望の星なんですね
実際の戦闘では無く、訓練中に仲間が
死亡するのは、戦争描写として真面目に作ってるんだなと
朝鮮戦争時に国連軍に衝撃を与えたMiG-15との
ドッグファイトは、レシプロ機対ジェット戦闘機
なのですが、F4U側が不利なのになんとか
撃墜できちゃうのはリアリティ無いかなと思いましたが
どうやら実際に撃墜した事例があるんですね
ジェット戦闘機はたしかに強力なんですけど
この時代にレシプロ戦闘機の性能も
かなり高いのと、ジェット戦闘機もまだ
いろんな問題を抱えていたので、かろうじて
撃墜のリアリティが成立してます
戦闘機のシーンはCGだそうですが
全然気づかないほどクオリティが高くて
迫力と緊迫感のある映像表現でしたね
上官が人類の歴史について語っているのは
立場上はっきりとは言わないけど、暗に「戦争なんてくだらないから
あんまり真面目にやらずに生き残る事だけを考えて行動しろ」と
言ってくれて、いい上官でありがたいなと
戦争映画で上官がしょうもない奴だと、状況が悪化しますからね
そこらへんはこの映画のキモでは無いですし
ブラウンが「僕のウィングマン(僚機)でいてくれ」という
セリフは、当方男でノーマルですが、正直キュンとしちゃいました😅
この作品「ブロマンス」でもあって、腐女子の方にもおすすめ(;'∀')
オイル漏れの為にわざと墜落するシーンは
レシプロ戦闘機ならではの描写で
ジェット戦闘機ばかりを見慣れていると新鮮でしたね
ジェット戦闘機だとこんな芸当は出来ませんからね
墜落したブラウンを助ける為に
ハドナーが自分の命も顧みず、助けに向かうのは
ハドナーが本当の意味でブラウンの
ウィングマンになったというシーンで
ベタですけど、それ故に感動します
残念ながら、ブラウンを助ける事は出来ず
彼は戦死し、遺体は未回収のままでハドナーは撤退
実際にあった出来事に着想を得た本作は
ブラウンが実在の人物であったとスタッフロール
の始まりで明かされてEND
「トップガン・マーヴェリック」と比べると
正直派手さは無いです
ですが、それ故に静かな感動を呼び起こされます、おススメです\(^o^)/