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燃え盛る炎の様に楽しんで鑑賞しながら、水の様に冷静に考えて! インド映画極上のエンターテインメント「RRR」感想(2022年公開)

インドのミュージカルアクション映画「RRR」の感想です

 

監督:S・S・ラージャマウリ

主演:N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア、ラーム・チャラン

 

<感想>

映画館で映画を観るなんて本当に久しぶりで

配信されるのを待っていようかと思って

いたんですけど、SNSで観た人が楽しそうに

感想を話しているのを見て、居ても立っても居られなく

なって、とうとう観に行っちゃいました

 

しかもIMAXなので2,500円!

金欠の身には堪える出費でしたが

後悔は無かったですね



まず冒頭、もう本当にイギリス人が

憎たらしくて「許さん!」ってなって

ここでつかみはOK!

一発の弾丸と一人のインド人の命を天秤にかけるとかさ…

 

この映画ではイギリス人は悪役になっていて

ちょっとその変どうなの?って部分はあるんですが

一応イギリス人にも悪くない人もいるよという

エクスキューズを、ビームが好きになるジェニー(オリヴィア・モリス)に

割り当てていてバランスを取ろうとしてますけどね

 

イギリスでもこの映画は公開されてるらしく

どんな顔で観ていたのかは気になります(;'∀')

 

主役のひとり「ラーマ(ラーム・チャラン)」の紹介シーンで

彼が優秀な捜査官である事を見せてるんですけど

あの時の群衆、エキストラ何人いるの?

そしてあの人の海の中をよく生還できたなー、と😅

 

インド映画なので、登場人物の顔が濃い!

ハリウッド映画を観る本数が多いと

この濃さがなおいっそう際立ちますね!

 

ふたりが子供を助ける為に橋のシーンで、初対面なのに

アイコンタクトだけで通じ合って

手をつなぎ合ってここでOP、これはアガります

youtu.be

ふたりが知り合って仲良くなり、ビームがジェニーを

好きになるくだりとかありますけど、いやお前らふたり

もう付き合っているだろ!と突っ込まざるを得ないんですが(^^ゞ

 

後でラーマにも故郷に思い人を残しているのが

わかりますが、どう考えてもこのふたり

結ばれないのはおかしいんじゃないかと思いますけどね😅

「ブロマンス」というより、腐女子の方が喜びそう

「心の〇〇〇が〇〇〇〇」といいますか(下品ですんません)

まあ、あくまでも男の熱い友情の物語ですからこれ

 

そしてインド映画の魅力のひとつ、ふたりが「ナートゥ」を踊るシーン!

この踊りを味わう為に劇場で鑑賞した方が

いいです!迫力が違います!

 

人間、あまりにも凄いものを観ると笑うしか無いんですよね😄

海外のNetflixが本編を配信してますけど、画面が小さいから

やっぱり劇場公開終了までに映画館まで足を運んで観ましょう!\(^o^)/

海外公式のナートゥ切り取りはこちら↓

youtu.be

 

このナートゥのシーンは、正直他の観客がいなかったら

私は拍手したかったくらい、観ていて楽しくって

これはイギリスに対して、暴力では無く踊りという文化で

対抗しているんですね

 

映画の全編で聞く音が、全てリズムを刻んでいる

様に聞こえてくるんですよ

 

ふたりは素性を知らないままなので、その為

悲劇が起こるんですけど、そこから仲直りというか

相手の事情をお互いに理解して、ビームがラーマを

救出してからの「最強の肩車」!とうとうふたりは

「合体」して結ばれちゃうんですよね(ゲス顔)

映画史上こんな強い肩車を見た事ないんですが😆

 

イギリス人総督とその夫人ですが、最後まで憎たらしい

奴で、いっさい感情移入出来なくさせるキャラクター造形で

もちろん因果応報な最期を迎えるんですが

そこで夫人を目の前で殺された総督が「なぜだ!」って叫ぶ

 

こいつ、なんにもわかっていないというか、人間

相手も同じ人間で無いと見做すといくらでも残酷に

なれるんだなーと、まあ勧善懲悪な結末です

 

ですが、最後の踊りのシーンと共に

カーテンコールが始まって、目を覚まさせてくるんですよね

エンディングで監督のS・S・ラージャマウリが楽しそうに

踊っているのが流れる中、8人の歴史上実在した人達が紹介されていく

あの人たちは誰?ってなると思うんですけど

 

エンディングで紹介されている人達は以下のとおりで

 

・キットゥール王妃チェンナンマ ・V.O.チダンバラム・ピッライ

・バガト・シン ・タングトゥーリ・プラカーシャム

・ケーララ・ヴァルマ・パラッシ・シャーマ ・シヴァージー

 

という名前で、彼らは現実の歴史でインドをイギリスや、他国の

侵略や抑圧から戦った人たちで、彼らこそが本当のヒーローなんだと

 

ラーマもビームも一応モデルはいるんですが

史実と違い過ぎるので、関係者から訴えられたそうな(;^ω^)

 

視聴している間は素直にアガるところはアガって

「許さん!😡」ってラーマ達に同調して

燃え盛る炎の様に楽しんでいいとは思います

 

ですが、そうやって鑑賞しながらやっぱり

頭のどこかでは水の様な冷静さを持っておかないと

いけないんだよと諭してくれているのかなと

 

まあこの作品は、やっぱりインドの映画で

プロパガンダ的側面は明確にありますよね

たしかにインドは、過去の歴史でイギリスの統治下にあって

ヒドイ目にあい、ガンジーの「非暴力、不服従」の運動で独立する

 

この映画、そもそも「イングロリアス・バスターズ

を参考にして作られた歴史フィクションなのだそうで

ラーマとビームのモデルになった人は、歴史上生きた時代が違うんだけど

「このふたりが同じ時代に居て、共闘したらどうなっていただろう?」

っていう風に考えた事が映画を作るキッカケだったそうです

イングロリアス・バスターズ - Wikipedia

 

だから、イギリス人をよく思って無いのは理解できます

でも、ちょっと相手をモンスターっぽく

描き過ぎたきらいは否めないですね

 

本場インドでのこの映画の評価が中程度だったそうで

それはこの作品の政治的な態度というか

勧善懲悪的な描写に苦言を呈するという事で

すごく健全だなーと、感情的に吹き上がらずに冷静

に観ているんですね

 

ここは、表現といいうものの危うさをわかっていて

映画は、ナチス時代のドイツで制作された

「意志の勝利」とかがあって

意志の勝利 - Wikipedia

優れた表現というものは危険なもので、人を魅了するんですよね

 

↓監督は「レニ・リーフェンシュタール

レニ・リーフェンシュタール - Wikipedia

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だから、楽しんでもいいけど

感覚的に「あれ、ちょっとやりすぎじゃね?」と

表現で感じるところがあったら、やっぱり自分の脳内に

ツッコミ役は必要で、インド国内にわかっている人達がいるんだと

 

2022年にロシアによるウクライナ侵攻があった時に

インドは当初、ロシア支持を表明するんですけど

それはやっぱりNATO側にイギリスがいて、インドからしてみれば

「俺たちにヒドイ事して来た国に味方なんか出来るか!😡」って

いう感情があったんじゃないでしょうか?

 

まあ、国際関係はそんな単純なものではないんでしょうけど

でも、そういう気持ち多少はあったんじゃないんですかね?

 

そんなこと言ってもやっぱり

この映画のパワーには持ってかれちゃうんですけどね

まだ劇場公開されているので、久しぶりに映画館で映画を

観て、「うお、すげー!めちゃくちゃ面白れーよ!」と

語彙力をいったん無くしてから観賞するのをおススメしま\(^o^)/