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あなたがストレートでも、この純愛には感動します! 朝田ねむい著 BL漫画「スリーピングデッド」下巻 感想

以前紹介したBL漫画の下巻の感想です

 

 

上巻の感想はこちらで、kindleunlimitedなら無料で読めます

2ki3suke.com

 

以前、無料で読める上巻を読んでそのままにして

いましたが、その後朝田ねむい先生の同じく

無料の作品「Loved Circus」を読んで

「この人、単にボーイズラブの漫画家さんじゃないな」と

感動し、気になっていたのでお金を払って今回下巻も読了しました

 

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<感想>

下巻で、佐田と間宮が同級生時代の学生生活が

描かれていて、間宮がヒドイいじめを受けていた事

そこで中橋木という男のグループに性的暴行を受けて

いた事が明かされる

 

転入して来た佐田が、間宮から見ると

何でも持っている奴に見えて嫌いで、けどそれは

羨ましいの裏返しで、性的暴行を受けた直後に

佐田が中橋木に仕返しをするのを手伝う間宮が

彼にはまぶしく映った

 

で、話は現在に戻って、猿のモン吉が殺した男の身分証明書を

見つけて来て、殺した相手がその中橋木で

佐田は間宮の復讐に手を借していた

 

佐田が間宮にその事を問い詰める「同窓会」の

シーンでふたりの距離が接近していく

 

私はてっきり間宮が佐田を人に依頼して殺し

佐田をゾンビにすることで彼を所有しようと

していたのかと思ったのですが、結局佐田を

殺害したのは誰だかわからないままなんですよね

 

ここらへんは「ひょんなことから再会したふたり」という

表現を回りくどくしているだけだったと

 

そして、間宮が佐田を旅行に誘う

初デートって感じですが、まあ訳アリなのは

後でわかるとして、ここはどっちかというと

ふたりがキャッキャウフフしている描写がほほえましい

 

話が進むうちに、間宮が孤独な魂であるのがわかって

愛らしくなっていくんですよね

 

それにしても初デートで食事がサ〇ゼリヤは

間宮の世慣れていない感が…(-_-;)

 

間宮の旅行の目的は、彼の学生時代に受けたいじめの

復讐相手のところに行くためだったんだけど

旅館での会話で佐田が諭して止めてくれる

 

間宮が知らず知らずのうちに佐田の脚を

触っているのを見て「あ、そういえばこの漫画BLだった」と

ここまで読んできて、ふと思い出すくらいジャンルが

気にならなくなるほど「漫画が上手い」

 

やむを得ずラブホにふたりが泊まって

佐田の恋愛遍歴が明かされ、いままでで

友達以上の気持ちを持った事が無いと告白する

 

「他人に一定以上の距離に踏み込まれたくない」と

言っているのに、間宮と会話するうちに

自分から距離を詰めている、それがとても自然に

表現されているんですよねこの辺

 

初デートから帰って来て、ふたりは初夜を迎えるんですが

間宮が佐田の「自分でしている」場面を見る事により

学生時代のいじめで自分がどんな事をされたのかを

客観視する事で彼は癒される

 

初めては誰でもぎこちないですよね(ゲス顔)

 

だけど、幸福な日は長くは続かず、この生活は

終わりを迎える

 

佐田のちょっとした油断で生前の同僚に

見つかって間宮の家にいられなくなり

彼は別の家で生活せざるを得なくなり離れて生活する

 

そこで、間宮は佐田と離れた事で彼を本当に

思っているのを自覚し、それを佐田に指摘されて

彼に素直な気持ちを告白するけど、今度は佐田が

照れてしまうんですよね

 

それからふたりはまたイタすんですけど

最初と違って今度は両想いになっている

 

行為の後、間宮が佐田にウイルスを拡散させて

人類の半数をゾンビにしようとしてるけど

「あ、もしかしてこれセカイ系?」って思いましたが

確かに最後セカイ系な終わり方するんですが

違う形のセカイ系で物語の幕は閉じます

 

猿のモン吉が、実は一度死んだのを薬で

蘇らせた存在だった事が明かされ、死んでしまうんですけど

つまりゾンビ化は失敗だったんですよね

 

それは佐田がゾンビでいられるのも時間の

問題で、彼の疑似生命も終わるということ

 

間宮が必死に改善策を模索するけど

佐田は感覚的に「自分には終わりが近づいている」

事に気づくんですね

 

そして間宮と「話そ」っていうのは

彼がひとり残されていく間宮を気遣って、遺言を言ってくれて

このシーンで泣いてしまいましたね(´;ω;`)

 

それを聞いた間宮が「再び君を蘇らせる」と誓うところで

この漫画のタイトルの意味が分かりました

「スリーピングデッド(眠れる森の生ける屍)」は

間宮だったんだと

 

ひたすら研究に没頭して社会との接点を持たなかった

間宮は死んでいたも同然で、佐田と関わる事で

人を愛し、生ける屍から「目覚めて」人間になった

 

物理的には佐田がゾンビだけど、彼は結構平気で

案外サバサバしている

 

この漫画は間宮が人間になるまでの物語だった

 

間宮がなんとかしようと奮闘するシーンを

日数経過と共に、足の動きだけで見せているのは

ゾンビ物のいわゆる「カユウマ」表現で

佐田は助からない事は確定していて

 

そして、間宮は自分にゾンビ化する薬を注射して

後追い心中、最後に思い浮かんだ情景は

佐田とモン吉というのは、彼にとってはそれが全てだったから

 

佐田やモン吉という愛するものを失う

悲しみを経験する事も彼が人間になった証であると

 

単行本のみの描き下ろしで、「地獄編」が

あって、「ふたりはあの世で再会しました」的な

話が追加されています(まだ間宮が生存している)

でも、たぶんこれは作者の照れ隠しでおまけですね(^^ゞ

 

あなたがストレートでも、マジ泣きします!

おススメです\(^o^)/