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選択する事、出来る事について ライアン・レイノルズ主演 映画「フリー・ガイ」感想(2021年公開)

オンラインゲームの世界を舞台にしたSF映画です

 

監督:ショーン・レヴィ(「ナイト・ミュージアム」)

youtu.be

 

<あらすじ>

 

「フリー・シティ」では「サングラス族」と呼ばれる

連中が気ままに銃をぶっ放してやりたい放題

そこに住んでいる平凡な男「ガイ(ライアン・レイノルズ)」は

毎日同じ銀行に勤めて、毎日銀行強盗に遭っていた

 

ある日、サングラス族の「モロトフ・ガール(ジョディ・カマー)」

に一目惚れし、彼女に会う為彼らと同じくサングラスをかけると…

 

<感想>

 

「ある男が、自分が置かれている状況を理解して目覚め、

そこから脱出する」っていうプロットを見ると

トゥルーマン・ショー」を想起する人もいるでしょう

 

youtu.be

 

でも、主人公であるガイ(ライアン・レイノルズ)は

ゲームのキャラ「AI」で、人間では無いんですよね

 

トゥルーマン・ショー」の主人公トゥルーマン

生まれてから自分の人生を24時間監視されている

注目される存在で、ガイはそれとは逆で

ゲームキャラ、それも「モブ」というゲーム世界の風景の

様な存在で誰からも注目されていない

 

トゥルーマン・ショー」のテーマは

「人の人生を見る事、撮影する事の加害性」と

「自分を抑圧し、支配している存在からの脱出」、そして

「どんなに感動する物語(フィクション、ノンフィクションに限らず)

でも、それは消費されていってしまう」という「大量消費社会の風刺」で

ぱっと見同じなだけで、テーマは違うんですよね

 

私の「トゥルーマン・ショー」の感想はこちら↓

2ki3suke.com

 

ガイのいるフリー・シティは、オンラインゲームで

そこで人間であるプレイヤーは、銀行強盗をしたり

現実世界では到底許されない事を行って欲望を解放している

モデルは「GTAグランド・セフト・オート)」あたりでしょうか

 

法律というタガが外されると、人間はああなっちゃうんですよね

 

ガイがある日、モロトフ・ガールに会う為にサングラスをかけて

フリー・シティの本当の姿を知るのは「ゼイリブ」オマージュ

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↑「サングラスをかけろ!」と長いプロレスが始まる😎

 

ガイもサングラスをかけたので、この世界に

干渉出来る存在になるんだけど、彼は犯罪を犯さない

 

ここはどう言いたいのかというと

「なんでも出来るって事は、しなくてもいいって事」

だと表現していて、じつは「GTA」系のゲームは「倫理」について

言及していたコンテンツだったと気づかせてくれます

 

あまり子供の保護者から良くは思われていないゲームでしょうけど

ゲーム世界内で何をするのかはプレイヤー次第という事は

行為の選択をプレイヤーにゆだねられているって事なんですよね😊

 

ガイはゲーム内で善い行いをすることで

「ブルーシャツ・ガイ」という通り名を付けられ

世界中のプレイヤーから注目されていき

モブでは無くなっていく

 

社長のアントワン(タイカ・ワイティティ)は

登場していきなり社員を解雇したり、エキセントリックな

言動から、モデルはおそらくスティーブ・ジョブス

10年以上前にお亡くなりになっているのにまだイジられてるw

 

ガイが銀行強盗をしているプレイヤーの

彼女(モブ)に「人生はもっと充実していて自分で決められる」

という台詞を言って「誰とも付き合わなくていい?」と彼女が返す

このシーンで映画のテーマが見えて来て

 

モブは「決まりきった日常に埋没している人達」や

「自分の人生がこれしかないと思い込んでいる、思い込まされている人達」の象徴で

「自分の人生は自分で決められる、選ぶ事が出来る」と主張していて

若干自己啓発っぽいんですけど、なんか若年層向けの映画なのかなと

「僕達は何にでもなれる」とか「今ここがリアルなんだ」とかね(^^ゞ

 

でも、このゲームを遊んでいる人達って

ネトゲに耽溺している現実逃避者なんですが…(;'∀')

 

ガイの呼びかけで、モブキャラ達が反旗を翻し

フリー・シティがプレイヤーを除いて

誰もいなくなり、ゲームが成り立たなくなる

 

ここは、街の風景の様な存在だと思われていたモブ達は

そんなことは無くて、彼らが居たからこそ

ゲーム世界は世界として成り立っていたという事なんですよね

彼らこそが世界なんだよと

 

最終決戦後、フリー・シティから解放されて

ガイたちは平和な世界を築いていますが

ちょっと待って欲しい

 

ガイは「世界初の意思を持ったAI」で

しかも彼が他のAIに干渉することで

周りのAI達も目覚めて社長のアントワンに反旗を翻しているんですよね?

 

でももしも、ガイ達が人間を自分達AIより

劣った存在だと見做したら?

自分の住んでいる世界を狭く感じて

もっと広げたいと思って人間が邪魔に感じたら?

って考えるとこの先安心出来ない決着の仕方

なんですけど😅

 

ちょっと最後気になるところはありますが

映画内で出て来るガジェットの元ネタを探したり

するだけでも楽しめる映画なのでおススメです\(^o^)/