2015年に発生した「タリス銃乱射事件」を
基に製作された映画の感想です
監督:クリント・イーストウッド
主演:スペンサー・ストーン
<あらすじ>
パリ行きの高速列車に乗り込んだ3人の
アメリカ人青年は、テロのどの様に立ち向かったのか
実際の事件を基に、悲劇を防いだ3人の勇気ある
行動を描く
<感想>
この映画、あまり事前情報を入れずに視聴し
視聴後に情報を集めていたのですが、キャストの
3人のアメリカ青年は本人だったんですね
しかも、乗客にも当時居合わせた人を起用している
映画の内容を視聴前に想像して
「よくある列車の中でテロリストに対抗する
アクション映画だろ?」みたいな構えで
視聴開始して、「あれ?なんか違う」って
思ったら、テロ事件は確かに描かれるけど
あくまでも事件を防いだ3人、特にスペンサーの
テロ事件までの彼の生い立ちに焦点を絞って
何故、彼がテロを防げたのかの理由を説明する事が
この映画のキモですね
まず、子供時代
スペンサーの親が学校に呼び出されて
彼がADD(注意欠陥多動性障害)がある事を告げられる
アレクもそうらしくて、彼らは学校では落ちこぼれて
いて、あまり楽しい学生生活は送れていない
けど、校長室で注意されていたアンソニーとそこで
出会う
ここの、校長に注意されているからアンソニーに出会えた
っていう箇所、この映画で似た様なシチュエーション
が出て来て重要です
彼らはキリスト教系の学校に通っていて
そこは厳格な規則があって、スペンサーは
そこにウンザリしている
でも、彼はエアガンで遊んだり第二次世界大戦の
資料を見るのが好きな奴で、他の2人と
絆を結んでいき、子供時代を不幸には過ごさないでいられた
校長室で叱られて、そこでたまたまアンソニーに
出会えたからそういう展開になれた
ここで、3人はそれぞれの都合でいったん分かれるけど
縁が切れた訳では無く、その後も関係が続いている
そして、スペンサーとアレクは
「人の命を救う」「正しい事をする」為に
軍隊に入隊する
特にスペンサーは、自分ではいちばん
正しい行いが出来そうだと判断した
パラシュート部隊の入隊試験を
受けるも、最後の「奥行知覚検査」で
不適格だった為、望んだ部隊には入れず
別の部隊に入隊したけど、そこでも自分のADDが
原因でまた別の部署に移される
そこは、「大人の託児所」と揶揄される様な
場所だった
そこでも彼はまわりとは浮いてしまう
行動をして馬鹿にされる
でも、そこでたまたま柔術を学ぶ事が出来、彼は
腐る事も無くやっていく事が出来た
そして、彼らは3人で集まって気晴らしの旅行をする
この旅行のシーンは結構長くて
何故長いんだろう?と思いましたが
それは、彼等があくまでも普通の人である事を
強調したかったんでしょうね
3人を、役者では無く本人に演じてもらったのも
彼等が普通の人である事を強調する為
で、タイトルである「15時17分、パリ行き」の
高速列車に乗り込む
乗り込む際、老人に手を貸すシーンがあって
ここも大事で、本当にシンプルに
彼らは「正しい事」をしている描写ですね
事件が発生して、あわや大惨事になるのを
防ぐこの映画のハイライトシーン
なぜ彼等、特にスペンサーが適切な
対応が出来たのか、それは彼がたまたま
パラシュート部隊から落ちこぼれて、たまたま
人を救助する部隊に入隊し、そこでたまたま
応急処置や柔術を学べたから
彼らが事件の発生した列車に乗り合わせたのもたまたま
ここらへんは要するに「人間万事塞翁が馬」で
「何が幸福で、何が不幸なのかわからないもの」って事
事件後、3人はフランスの大統領から
国で最高の勲章を授与される
本人が出演しているので、ここはCG合成
では無く実際の映像
3人は、アメコミに出て来るヒーローでも
何でも無くて、本当に普通の人で
そこがこの映画のポイント
しかも、彼等、どうやらこの事件に
遭遇した事を「感謝」していたと
監督であるクリント・イーストウッドが
インタビューで答えている!
どうも公開当時、批評家から酷評された
そうですが、おそらく3人を俳優では無く
本人に演じさせた事と、スペンサーが
キリスト教の教えを唱えていて、彼が軍人だから
プロパガンダ映画っぽく受け止められたんでしょうね
でも、それは違くって、彼がたとえ
キリスト教を信じて居なくて、軍人でなかったと
しても、彼は「人々を救いたい」「正しい事をしたい」と
いう気持ちは変わらない
本当にシンプルなメッセージ
「正しい事をしよう」って事ですよ
ここらへん、なんで誤解されたのかわかりませんね🤔
世界の大半は「普通の人」で
彼等、彼女等が「世界を作っている」
本当にそれだけの話
要するに、いい意味で「おまいら」って事
おススメです\(^o^)/(シンプルに)