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人は、自分が見たいと思うように現実を見る 映画「シャッターアイランド」感想(2010年公開)

デニス・ルヘイン原作小説の

サイコロジカルスリラー映画です

 

監督:マーティン・スコセッシ

主演:レオナルド・ディカプリオ

 

原作の小説はこちら

 

<あらすじ>

1954年、ある精神病院から忽然と姿を消した

ひとりの患者

 

その捜査のために現地を訪れた連邦保安官

数々の不可解な謎に翻弄され

次第に現実感を失っていく

 

<感想>

まずOP、船内で連邦保安官テディ(レオナルド・ディカプリオ

は船酔い、海を見ながら「ただの水だ」と自分を落ち着かせている

「海が苦手なのかな?」とここでは若干引っ掛かるだけ

 

相棒のチャック(マーク・ラファロ)との会話

「お前が今度の相棒?」で、ここでも引っ掛かって

「?、同じ船内にいるのにもう自己紹介は済んでるだろ?」と

 

島に上陸し、このふたりの保安官は

失踪した「レイチェル・ソランド」という精神疾患者を

捜索する為に来たことがわかる

 

レイチェルは「4の法則、67は誰?」という

謎のメッセージを残している

 

物語が進行するうちに、テディが戦争中に

ダッハウの虐殺」に関与していた事

ダッハウの虐殺 - Wikipedia

妻を放火で殺された事が明かされて、実はテディはその

放火犯「アンドリュー・レディス」を追って来ている

 

収容所の惨状を目の当たりにした事

義憤にかられ、無抵抗の捕虜を一方的に射殺してしまった事

妻を放火で殺害されたという3重のトラウマを持っているテディ

 

捜査を進めていくうちに、精神病棟でもある島の

患者や医師、警備員に取り調べをするが

彼らの口は固くて、ふたりは怪しむ

 

そして、この島ではどうやら人体実験が行われていて

実は、テディがこの島にやって来る事を読まれていて

彼がこの島に自発的に来たのでは無く、この島に

来るよう誘導されているのではないかという疑惑が発生する

 

その間、テディは夢に妻や、おそらくダッハウ

殺されたであろう少女が出て来て苦しめられる

 

ここまで観て「第二次世界大戦で生み出された闇の話?」とか

「島はテディの脳内世界で、トラウマを乗り越える話かな?」と

推測しましたが、この推測はふたつとも外れます(;'∀')

 

捜査の途中、嵐でびしょ濡れになり、服を乾かす間に

ふたりは患者の服を着る羽目になる

 

ここらへんから「?」ってなります

 

まあ、まんまと騙されましたね😅

 

この映画「ミステリー」では無く、「サイコロジカルスリラー」

なんですから

 

真相が隠されているとされる灯台に行こうとして

チャックが「俺も行く」と言うけど、テディは

拒否してひとりで行こうとし、波が高いので引き返す

 

引き返したら、どうやらチャックは崖から

落ちたらしく、テディは助けに降りる

 

けど、チャックだと思っていたのは

岩がただそう見えるだけで、チャックはいない!

ここの「岩がチャックに見える」シーン

重要で、テディにはそう見えたかったからなんですよ

 

崖を登る途中で67人目の患者レイチェルを発見する

 

そして島の謎が判明し、レイチェルは医師である事

結婚などしておらず独り身である事、「何を言っても病気」

と言われる事、灯台は「ロボトミー手術」の実験場で

ある事を明かす

前頭葉白質切截術 - Wikipedia

 

普通の映画だと、ここから逆襲に転じる

様な展開になるんですけど、実は結末が違う

 

警備隊長との会話で暴力に言及しているけど

実は伏線

 

「怪物を見たら止めるべきだ」とテディ

ええ、そうですねー😑

 

ここまで観てると、何が本当なのか混乱しますが

もちろんそれは送り手の思惑通り

 

一度行くのを諦めた灯台でのクライマックス

そこで医師のジョン・コーリー(ベン・キングスレー)から

明かされる事の真相、「4の法則、67は誰?」

 

テディ・ダニエルズのスペルは「EDWARD DANIELS」

アンドリュー・レディスのスペルは「ANDREW LAEDDIS」

つまり、テディの名前のアナグラムで、67人目の患者はテディだった!

 

レイチェル・ソランドは「RACHWL SOLAND」

ドロレス・チャナル「DOROLES CHANAL」

こちらもアナグラムでレイチェルもいなかった

 

たぶん、英語が分かる人だと、名前のスペルで

ピンと来るんでしょうね😅

 

テディはこの島の患者で、24か月前からここで

治療を受けていて、彼は妄想を作り出す事で

あるトラウマから逃げていた

 

それは何か?

 

妻は放火で殺されたのでは無く、実は精神を

病んでいて、3人の子持ちだったけど

子供を全員湖に沈めて殺してしまった事

それを目撃したテディが妻を殺した真犯人だった

 

OPで、テディがやたら水を怖がっていた事は

これが原因だったんですね

 

そして、途中で消えた相棒は、自分の脳内で

作り出された存在かと思ったらそうじゃ無くて

自分の担当医「シーアン」で、彼を監視していたと

 

テディが妄想癖があり、暴力的性向があるので

なんとかしようと治療していた

 

ナチの人体実験なんか無くて、ロボトミー手術は

テディの暴力的性向を止められ無いので止む無く

せざるを得ないんだけど、医師たちはそれは

良くないから、彼を治療する為に

テディにここまでの「フィクション」を演じてもらう事で

矛盾に気づき、彼が妄想を抜け出し、治る事を期待していた

 

そして、どうやらここまでの展開は

前回の治療でたどり着いていて、ここから

テディに本当の名前を聞く

 

彼が正気かどうかを確かめる為に

「俺の名はアンドリュー・レディスだ」と「レディス」

 

ラストシーン、島に入る時嵐が近づいていて

島内は暗かったけど、このシーンでは明るく晴れている

たぶん、テディには最初嵐に見えていたんでしょうね

 

事態は収拾し、レディスは治ったのかな?

と思いきや、シーアンが確かめる

 

「島を出よう、ここにいるとロクでも無い目に遭う」

とレディス

 

「治ってない」事が判明し、仲間の医師に首を振る

と、思いきやレディスの最後の台詞

「怪物として生きるのか、善人として死ぬのか」

レディスは連れて行かれ、この後

ロボトミー手術を施されるであろうEND

 

最後の台詞の意味は、実はレディスは正気に戻っていて

だからこそ「島を出る」の意味は「手術を受けたい」と

解釈も出来て、最後にもう一度ひっくり返す

 

実はこの最後の台詞、最初観た時私は

無いものと思っていました(-_-;)

私もこの映画の結末を、自分が見たい様に見えていて

レディスが治っていないと思い込んでいたんですよねー😑

 

悔しいけど、この展開は読めませんでしたね

まんまとしてやられました、おススメです\(^o^)/