西村淳原作小説映画の感想です
監督:沖田修一
主演:堺雅人
原作小説はこちら
<あらすじ>
日本から14000キロ離れた南極基地内に
8人の男性観測隊員が生活している
基地に派遣された料理人が、8人の胃袋を
満たす為、過酷な環境で悪戦苦闘する
<感想>
OP、基地から出て来た何者かが捕まり
「もう嫌だ!」と叫ぶ「お前が強くなるしかねえんだよ!」と
応答があり、抱きしめられる
「?、なんか深刻な事があったのかな?」と
思って基地内に戻り、彼らが麻雀をしているシーンになり
この映画がコメディ映画なんですよという告知
男が男を抱きしめるシーンで
「ウホッ、南極という閉鎖空間だから、間違いが
起こらないわけもなく的な展開?嫌いじゃないですよ(ゲス顔)」
と若干思いましたが、そこは邪推
ちなみに、こういう閉ざされた環境に長時間いるとなると
性欲処理の問題があるはずで、そこはどうなっているのか
知りたかったですが、まあこれは料理人「西村」の視点で
描かれる南極隊員の日常をつづったコメディなので
話の焦点が違いますからね
時代は1997年、彼らは残り414日(!)のあいだ
南極で調査の為に基地で8人生活するんですけど
まず食事シーン、この映画のキモで漫画やテレビ
ビデオとかあるんですけど、彼らにとって、やっぱり食事は
いちばんの楽しみなんですね
その次に大事なシーンがあって、トイレが良く出て来ます
部屋によく張り紙がしてあって、そこら中に雪や
氷があるけど、マイナス54℃(!)の環境なので
そう簡単に水が作れず「造水」という作業もあるくらい
じつは水不足の環境で、貯水槽の減りが早い事に
一喜一憂するくらい(後で減りが早い原因は判明します)
雑菌が繁殖しない環境でもあるので、生魚(たぶん冷凍)を
解凍して捌き、刺身が食えたりして
彼らの食生活がうかがえて単純に面白いです
「昭和基地にエビがある」と聞けば
みんなで「エビフライ!エビフライ!」と合唱
西村の反論を押し切って出て来たエビフライに
「やっぱり刺身だったな」と文句を垂れる(;^ω^)
そして、西村がこの8人に加わったいきさつが
説明されて、彼は海上保安庁からの出向で
本当は同僚が来る予定になっていて、その人は
南極に行くことに憧れていたけど、交通事故で行けず
代わりに西村が「行かされる」形で南極に来ている
船長が嶋田久作なので、そりゃー断れないですよね😅
西村の家庭では、妻が料理を作っている様で
そこで出された唐揚げが上手く出来て居なくて
「これ胃もたれするやつじゃん!」と愚痴をこぼす
このエピソードが後半で生きて来ます
電話は出来るらしく(1分740円とお高いけど)家族や彼女に
電話する隊員たち
「お父さんがいなくてよかった」とか
彼女に連絡をとるけど、次第に疎遠になっていく隊員がいて
見ていて気の毒になっていく…(;^ω^)
でも、全員がここに来ているのが不本意かというと
そうではなくて、「自由だよねぇ」と社会から
離れたこの「世界の果て」を楽しんでいる隊員もいる
節分や隊員の誕生日パーティー、球技大会(氷でバットが折れる)
等を積極的にするのは、おそらくなんらかのイベントを
楽しむ事で、精神衛生を管理しているんでしょうね
料理人でもない隊員が、ラーメンが好き過ぎて
西村に黙ってラーメンを作り「西村くん、このラーメン芯が固いよ」
とごちる
大の大人がセコイ事をしているんだけど、こういう展開って
どっちかというと学生時代のモラトリアムみたいで
見ていて楽しいですね😊
ストーリーにあまり起伏は無いんですが、強いて挙げれば
「極夜」後に隊員がもめる辺りが盛り上がりのシーンですかね?
日数の経過にともない、イベント起こしたりしてみても
たぶん精神的に「キて」いたんでしょう
隊員が勝手にラーメンを食べて無くなってしまった
事がきっかけで主任はズル休し、シャワーを使い過ぎたせいで
水不足の原因が彼だったとわかり、その追いかけっこに
巻き込まれて、西村が大切にしていた「娘の抜けた歯」が
穴に落ち、西村は料理を作らないというボイコットをする
残りの隊員が仕方なく、自分たちで料理をし下手くそな
唐揚げを作る
それを食べる西村、案の定上手くなくて
「これ胃もたれするやつじゃん」と、今度は涙をこぼす😆
家族を思い出しちゃったんですね
精神的にもう駄目なのかな?と
思って観ていると、「ベーキングパウダーでラーメン作れね?」
と思いつき、試しに作る事でみんながまとまり難を逃れる
彼女にフラれた隊員が、電話のオペレーターと
何度も話しているうちに、彼女(清水という名前しかわからない)
を好きになって告白するとかちょっと病んでるのかな?🤔
小学校の社会科見学で、南極からは映像を
かなり遅れて送信出来て、水族館?からは
音声のみのやりとりしか出来ない
そこで、自分と同じ名前の子から質問されて
西村が「娘と同じ名前じゃん」と答え、本当に
娘の友花だったとか、見ていてほっこりします
最後、すべての日程を消化して、彼らは
帰国、それぞれの家族の元に帰り、彼女に
フラれた隊員は、なんとオペレーターの清水さんが
待っていて、付き合える事に!
リア充爆発しろ(^^ゞ!
社会に戻り「あれは本当の事だったのか?」と
訝るくらい、あの南極という環境が特殊だった事に気づく西村
家族と遊園地で食事をし、人の作ったハンバーガーを
食べ、「うまい!」と保存食ではない食い物を噛みしめEND
主役の西村が、若き日の堺雅人で
彼のコメディ演技を堪能出来ます
おススメです\(^o^)/