にきさんすけのバラエティショップ

通販商品やいろんなカルチャーを紹介してます

世界の果てで、大人たちが過ごすモラトリアム 映画「南極料理人」感想(2009年公開)

西村淳原作小説映画の感想です

 

監督:沖田修一

主演:堺雅人

youtu.be

 

原作小説はこちら

 

<あらすじ>

日本から14000キロ離れた南極基地内に

8人の男性観測隊員が生活している

基地に派遣された料理人が、8人の胃袋を

満たす為、過酷な環境で悪戦苦闘する

 

<感想>

OP、基地から出て来た何者かが捕まり

「もう嫌だ!」と叫ぶ「お前が強くなるしかねえんだよ!」と

応答があり、抱きしめられる

 

「?、なんか深刻な事があったのかな?」と

思って基地内に戻り、彼らが麻雀をしているシーンになり

この映画がコメディ映画なんですよという告知

 

男が男を抱きしめるシーンで

「ウホッ、南極という閉鎖空間だから、間違いが

起こらないわけもなく的な展開?嫌いじゃないですよ(ゲス顔)」

と若干思いましたが、そこは邪推

 

ちなみに、こういう閉ざされた環境に長時間いるとなると

性欲処理の問題があるはずで、そこはどうなっているのか

知りたかったですが、まあこれは料理人「西村」の視点で

描かれる南極隊員の日常をつづったコメディなので

話の焦点が違いますからね

 

時代は1997年、彼らは残り414日(!)のあいだ

南極で調査の為に基地で8人生活するんですけど

まず食事シーン、この映画のキモで漫画やテレビ

ビデオとかあるんですけど、彼らにとって、やっぱり食事は

いちばんの楽しみなんですね

 

その次に大事なシーンがあって、トイレが良く出て来ます

 

部屋によく張り紙がしてあって、そこら中に雪や

氷があるけど、マイナス54℃(!)の環境なので

そう簡単に水が作れず「造水」という作業もあるくらい

じつは水不足の環境で、貯水槽の減りが早い事に

一喜一憂するくらい(後で減りが早い原因は判明します)

 

雑菌が繁殖しない環境でもあるので、生魚(たぶん冷凍)を

解凍して捌き、刺身が食えたりして

彼らの食生活がうかがえて単純に面白いです

 

昭和基地にエビがある」と聞けば

みんなで「エビフライ!エビフライ!」と合唱

西村の反論を押し切って出て来たエビフライに

「やっぱり刺身だったな」と文句を垂れる(;^ω^)

 

そして、西村がこの8人に加わったいきさつが

説明されて、彼は海上保安庁からの出向で

本当は同僚が来る予定になっていて、その人は

南極に行くことに憧れていたけど、交通事故で行けず

代わりに西村が「行かされる」形で南極に来ている

 

船長が嶋田久作なので、そりゃー断れないですよね😅

 

西村の家庭では、妻が料理を作っている様で

そこで出された唐揚げが上手く出来て居なくて

「これ胃もたれするやつじゃん!」と愚痴をこぼす

 

このエピソードが後半で生きて来ます

 

電話は出来るらしく(1分740円とお高いけど)家族や彼女に

電話する隊員たち

 

「お父さんがいなくてよかった」とか

彼女に連絡をとるけど、次第に疎遠になっていく隊員がいて

見ていて気の毒になっていく…(;^ω^)

 

でも、全員がここに来ているのが不本意かというと

そうではなくて、「自由だよねぇ」と社会から

離れたこの「世界の果て」を楽しんでいる隊員もいる

 

節分や隊員の誕生日パーティー、球技大会(氷でバットが折れる)

等を積極的にするのは、おそらくなんらかのイベントを

楽しむ事で、精神衛生を管理しているんでしょうね

 

料理人でもない隊員が、ラーメンが好き過ぎて

西村に黙ってラーメンを作り「西村くん、このラーメン芯が固いよ」

とごちる

 

大の大人がセコイ事をしているんだけど、こういう展開って

どっちかというと学生時代のモラトリアムみたいで

見ていて楽しいですね😊

 

ストーリーにあまり起伏は無いんですが、強いて挙げれば

「極夜」後に隊員がもめる辺りが盛り上がりのシーンですかね?

 

日数の経過にともない、イベント起こしたりしてみても

たぶん精神的に「キて」いたんでしょう

隊員が勝手にラーメンを食べて無くなってしまった

事がきっかけで主任はズル休し、シャワーを使い過ぎたせいで

水不足の原因が彼だったとわかり、その追いかけっこに

巻き込まれて、西村が大切にしていた「娘の抜けた歯」が

穴に落ち、西村は料理を作らないというボイコットをする

 

残りの隊員が仕方なく、自分たちで料理をし下手くそな

唐揚げを作る

 

それを食べる西村、案の定上手くなくて

「これ胃もたれするやつじゃん」と、今度は涙をこぼす😆

家族を思い出しちゃったんですね

 

精神的にもう駄目なのかな?と

思って観ていると、「ベーキングパウダーでラーメン作れね?」

と思いつき、試しに作る事でみんながまとまり難を逃れる

 

彼女にフラれた隊員が、電話のオペレーターと

何度も話しているうちに、彼女(清水という名前しかわからない)

を好きになって告白するとかちょっと病んでるのかな?🤔

 

小学校の社会科見学で、南極からは映像を

かなり遅れて送信出来て、水族館?からは

音声のみのやりとりしか出来ない

 

そこで、自分と同じ名前の子から質問されて

西村が「娘と同じ名前じゃん」と答え、本当に

娘の友花だったとか、見ていてほっこりします

 

最後、すべての日程を消化して、彼らは

帰国、それぞれの家族の元に帰り、彼女に

フラれた隊員は、なんとオペレーターの清水さんが

待っていて、付き合える事に!

リア充爆発しろ(^^ゞ!

 

社会に戻り「あれは本当の事だったのか?」と

訝るくらい、あの南極という環境が特殊だった事に気づく西村

 

家族と遊園地で食事をし、人の作ったハンバーガーを

食べ、「うまい!」と保存食ではない食い物を噛みしめEND

 

主役の西村が、若き日の堺雅人

彼のコメディ演技を堪能出来ます

おススメです\(^o^)/