チャールズ・ブロンソン主演の犯罪映画の感想です
監督:セルジオ・ソリーマ
主演:チャールズ・ブロンソン
<感想>
英題が「Violent City」で、現代とほぼ一緒の意味ですが
この訳は「暴力都市」で、あんまりこの映画と
合っていなくて、邦題の「狼の挽歌」の方がしっくり来てます
あらすじとしては、一人の女ヴァネッサ(ジル・アイアランド)が居て
彼女がいわゆる「ファム・ファタール(運命の女)」で
周りの男が彼女の為にことごとく破滅していくという
話なんですよね
チャールズ・ブロンソン演じる殺し屋ジェフ・ヘストンは
妻と休暇中に知り合いのクーガンに襲われ重傷を負う
そこでの銃撃戦の為に、いったん留置所?に入れられて
そこで這っている蜘蛛が出て来て、このシーンが若干
長いのは、実は蜘蛛は、妻のヴァネッサを表していて
ジェフはそこで蜘蛛を始末しない、というか出来ない
出所後、ある組織から殺しの依頼をされるけど彼は断る
時代は近代化されてきて、殺しも組織化され
組織に所属している連中は年金の心配をする様な
飼いならされた連中
ジェフは組織に所属しない、いわゆる「一匹狼」
時代の流れには乗りたくないので断る
でも、復讐の為に依頼された訳でもないのに
レース中のクーガンを射殺する
本人を射殺するのは難しいから、タイヤを撃つ事で
事故を装い殺す一流の仕事で、昔はあまり
安全なモータースポーツでは無かったでしょうから
隠ぺいも出来ると
このシーン、やたらと長くて、1971年公開の
「ジャッカルの日」を思い出すんですよねー
最後まで「暗殺成功しちゃうんじゃね?」って
思わせるいい映画です↓
その後、妻と再会
「私はクーガンの女だった!」という
ヴァネッサを、しかしジェフは別れる事も
出来ず、ジェフはヴァネッサを抱く
妻と一緒に車に乗っている時に
何故か狼の遠吠えが聞こえるのは
ジェフの絶叫、というか嘆きで、ヴァネッサを
許せないけど別れられない事を表している
しかし、クーガンを殺す仕事の現場を撮影されていて
それは、ジェフを飼いならして使い潰そうとするウェーバー
の策略だった
しかも、吹き替えが森山周一郎さんなので
これだけでもうお腹いっぱいなんですよね😊
だが、ウェーバーも自分が苦労して作った会社からは
厄介者とされ、表社会には出られない身
彼もまた「狼」で、近代化された組織で
生きづらさを抱え、おそらくそこを
ヴァネッサに付け入られ、彼女を妻に迎えちゃったんでしょうね
ウェーバーの顧問弁護士が「時代遅れだ」と
ジェフに忠告するけど、そんな事は百も承知
ジェフにしろウェーバーにしろ
彼等はそういう生き方しか出来ないから
時代の流れの前に滅び去るしかないんですよね
だからこの映画の邦題が「狼の挽歌」なんです
ジェフは、いったんヴァネッサを殺そうとするけど
なかなか出来ない
ヴァネッサもヴァネッサで、関係した男を
ことごとく不幸にしてしまう
たぶんそういう性(さが)だからそうしてしまう
ラスト、ウェーバーの築き上げた会社のビル
の上昇していくエレベーター内で、ジェフがとうとうヴァネッサを
射殺するシーン、彼女の着ている服の色が
留置所で踏みつぶされる蜘蛛と同じ色
ついにヴァネッサを自らの手で始末するけど
それは、彼が愛を失った事も意味していて
警察にも追い詰められているので
新米とおぼしき警官に「介錯」させてEND
<終わりに、ブロンソンとジル>
ヴァネッサ役のジル・アイアランドですが
彼女、ブロンソンの奥さんなんですよね(;'∀')
で、馴れ初めはブロンソンが俳優のデヴィット・マッカラム
(「NCIS」で検死官ダッキーを演じたあの人)の妻だったのを
寝取った(!)んだそうな
そして、ブロンソンは奥さんを自分の主演映画に
共演させまくる
どんだけ奥さん好きなんだよ!
まあすごい美人さんですからねー😅
で、ヴァネッサ役のジルがブロンソンの奥さんで
ブロンソンが他人の妻を寝取って
妻に迎えた事を踏まえると、この映画は
ブロンソンが妻を奪われるのではという
強迫観念を表現している風に見えたりして面白いのではないかと
う~ん、マンダム!(だから古いって)😆