にきさんすけのバラエティショップ

ASD自覚者(確定診断未実施)が、映画や漫画等の感想を書いてます

「運命」についてのタイムトラベルファーストコンタクトSF 映画「メッセージ」感想(2016年公開)

テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語

を元に制作された映画の感想です

 

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

主演:エイミー・アダムス

youtu.be

 

<あらすじ>

世界各地に巨大UFOが出現

謎の生命体との会話という任務を託された

言語学者は、未知の言語を探る中、人類そして

彼女自身に向けられたメッセージを解明する

 

<感想>

始まりはよくあるファーストコンタクト物で

出て来る宇宙人がタコ足型(7本だけど)

「え、今時なにこれ?」とクエスチョンマーク

頭に浮かびながら視聴

 

冒頭で、主人公である言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は

娘をどうやら病気で亡くし、夫がいないシングルマザーっぽい

 

で、ある日突然世界12か所で謎の物体が出現

軍からウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)が

派遣され、ルイーズをその宇宙船「ヘプタポッド」に

同行させ、物理学者のドネリー(ジェレミー・レナー)と

共に、2体の異星人「アボット」「コステロ」と「会話」し

彼らが地球を訪れた意図を解明しようとする

 

「HUMAN(私は人間)」から始まり

お互いにコミュニケーションを取り始める

異星人の言語は「表意文字」と呼ばれるもので

彼等には時間の概念と「前後」という物が無い

彼等の時間の概念は「非線形」で、彼らの言語が

円を描いている事はその象徴

 

そうこうしているうちに、ヘプタポッドが出現した事が

世界各国を恐怖と疑心暗鬼にさせ、最初は世界で

協力して彼等とのコミュニケーションを図ろうと

したものの、同じ人間同士なのに通信を切ってしまい

世界崩壊の危機にある

 

ある学者の「話す言語が考え方を変える」という

仮説が出て来て、つまりこれはルイーズ達が

異星人とコミュニケーションを取るうちに

彼等の言葉を使い、結果彼らの考え「時間の概念と前後の感覚」

が変わり、ルイーズは「意識だけ時間を超える」事が出来る様になる

 

その能力で、彼女は未来から、自分の書いた

異星人の言語を解明した本を受け取り

彼等の「武器を与える」という誤解と受け取られかねない

言葉の意味を理解する

 

本の献辞が娘に宛てていて、娘の名前が「ハンナ(Hannnah)」

という、前後の感覚が無いのも異星人の影響を受けているから

 

異星人が地球に来た(原題の「ARRIVAL」は「到着」の意)

目的は「3000年後に人類の助けがいる為に、協力して欲しいから」

つまり、彼らが「到着する」事によって

人類が結束し、世界が平和になり、その見返りとして

自分達を助けてもらうという「両者が納得する取引(非ゼロ和ゲーム)」

 

だが、ロシアや中国が異星人と交戦する事を決意

このままでは人類全面核戦争かという局面で

時折差しはさまれる、ルイーズと娘の記憶のフラッシュバックが

実は、ルイーズが意識だけ時間を跳躍していた事が

彼女自身にも自覚され、中国のシャン上将(ツィ・マー)と

連絡を取り、彼女が知るはずもないシャンの妻が

息を引き取る前に発した言葉を言う事でルイーズを

信用し(シャン上将も同じく時間を跳躍しているから)、世界は結束

全面核戦争は回避され、12か所にあったヘプタポッドも「消えていく」

 

過去に意識を飛ばす途中で、冒頭に娘が病気で

死んだのは、実は未来の話で、夫はドネリーで

ある事が判明する

 

最後にドネリーが求婚するのを受け入れる

ルイーズだけど、何故彼女は求婚を受け入れたのか?

 

それは、そうしないとそもそも娘が生まれて来ないから

 

娘が途中で病に倒れても、娘がいたからこそあった

娘を愛し、娘から愛された記憶が無くなってしまうから

たとえそのせいでドネリーと別れる事になったとしても

彼女はその結末を「受け入れた」

 

つまり、「運命」がこの映画のテーマだったと

 

原題が「あなたの人生の物語」であるのはそういう理由

なんですね

 

この記事の最初に、「ばかうけ」を表示したのは

ばかうけが、宇宙船ヘプタポッドの形状に酷似していて

その事で、公開当時ばかうけの製造元の「栗山米菓」が

コラボポスターを公開したので載せてみましたw

 

格調の高いタイムトラベルSF、おススメです\(^o^)/