にきさんすけのバラエティショップ

ASD自覚者(確定診断未実施)が、映画や漫画等の感想を書いてます

メンヘラ女子の自己肯定と承認欲求 作:永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」感想

永田カビ先生のレポ漫画の感想です

 

 

<感想>

以前読んだ永田カビ先生の漫画「迷走戦士永田カビ」

の作中で、上記の漫画が取り上げられていたので

購入して読んでみました

 

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内容としては、カビ先生が楽しかった高校を卒業し

大学を半年で退学、そして彼女は鬱と摂食障害になる

 

「所属する何か」「毎日通う所」が無くなった事が

原因で、彼女はとりあえずアルバイトを始めるが

バイト先を「居場所」と勘違いしてしまい、メンタルを病んでしまう

 

そして彼女は両手に「アシカノ(明日、私は誰かのカノジョ)」

に出て来る「ゆあてゃ」みたいな自傷行為をする

 

「ゆあてゃ」、未読の方はこんな感じのキャラです↓

 

さらに、摂食障害にもなっているので

彼女は店の賞味期限切れの商品を食べまくる(過食衝動)

 

病院に行き、医者から「しばらく休んで」と言われ

休養するも、「自分はどうしたいのか」を突き止める為

彼女が奮闘していくという内容です

 

時折出て来る彼女の両親ですけど、たぶん彼女の

両親ですが、他人様の親の事をこう言っちゃ

なんですが、たぶん「機能不全家族」だと思います

 

「迷走戦士永田カビ」でも、先生の両親は見合い結婚で

愛し合って結婚した訳では無かった事が描写されていて

またひどい事を言ってしまいますが、彼女は

「祝福されて生まれては来なかった」と思います

 

「自分でなんとかしないと」と、彼女が奮闘というか

迷走するのも、おそらくは両親の悪影響が

関係している可能性は高いと思われます

 

彼女は、高校までは楽しい学生生活を送っていて

大学を中退した事で精神を病んでいる所から推測すると

「寄りかかるもの」を無くしたことによる統合失調症ではないかと

 

ここらへんも「ゆあてゃ」と酷似しています

 

「働ければ偉いんだ、一人前の人間なんだ」という

思い込みで、彼女はパン屋に面接を受けまくるけど落ちてしまう

 

まだ何かにすがりつこうとしているだけなので

面接の担当者にそれを見抜かれてしまうんですよね

 

面接の際に、自分の好きな物を聞かれて

「漫画を描くのが好きです」と答えて

「マンガ、がんばれよ!」とまで言われるw

 

彼女の家庭での振る舞いで「母親にベタベタする」という

描写があって、「お母さんの事は嫌いなんだけど」と

前置きがあるにも関わらず、彼女は母にすがりついたり

作中のメンヘラ描写はかなりきつくて、先生のやわらかい

タッチじゃなかったらとても読めないです

 

「不浄を拭う人」でも感じたのですが、内容がキツイ

漫画の場合、作者のやわらかい表現って凄く大事だと思っていて

リアリティの強い漫画表現では読者が引いてしまいますからね

 

 

「人に抱きしめられたい」という、性的欲求というより

「人と触れ合いたい」という切なる願いをこじらせた末に

彼女は「レズ風俗」に行きつく

 

男と触れ合うのではなく、女と触れ合う事を選ぶのは

「自分が女だと認識したくないから」

 

その過程で、彼女は「自分自身を大切にする」という

当たり前の「自己肯定感」について気付く

 

うーむ、やっぱり家庭に問題があると思うのですが

この漫画は毒親ものにはならず、彼女はあくまでも問題は

自分の中にあるとみなしている

 

で、レズ風俗初体験、28歳にして彼女は

初めてのキスをしてもらう

 

男性にしろ女性にしろ、性の初体験は、本人が

その行為にどれだけ期待をしていたかで

感想が変わると思いますが、彼女は「あれ、こんななの?」

ときょとんとしてしまう

 

そして、セックスは高度なコミュニケーションである

事に気づき、相手にされるがままで、特に快感も得られない

 

客観的に見ると、ちょっとそれは初体験なのかなと

思うんだけど、彼女はとうとう何かを達成したと

思って「知っている側」になった嬉しさを噛みしめる

 

「エロ同人みたいじゃなかった」とか、やっぱりこじらせてるw

 

この体験を元に漫画は描かれているのですが

それを「Pixiv(イラスト・漫画・小説のコミュニティサイト)」

に公開し、読者から反応を得て、彼女は「承認される」

 

「甘い蜜」と作中で表現している通り

それは「承認欲求」という名の一種のドラッグなので

それはそれで危険な物なんですけどねー😅

 

最後に彼女は親元を離れて漫画は終了する

(その後に「おまけ」もありますけどね)

 

永田カビ先生の漫画は、どの作品のタイトルだけ見ても

ヘラっていて、自分を切り売りするのも大概にして

そろそろなんというか、普通の物語を描いて欲しいなと

いらぬ心配をしてしまって、でもそこが彼女の

漫画の魅力でもあると思っているので微妙な気持ちになります

 

世界は広くなっていた、かな?\(^o^)/