内容としては、太平洋戦争に敗けた日本で
彼が「この戦争の一番の戦争犯罪人はペルリ(ペリー)だ」と
主張し、ペリーの来航に時が遡り、そこから太平洋戦争
で日本がどういう行動をしたのかが語られる訳ですけど
描き方に悪意があるんですよねー
確かにその時代の西欧は、軍事力を背景に世界各国を植民地化し
その手が日本に伸びて来るんですけど、相手にも相手で
事情がある訳で、彼等からするとこちらは「文明の劣った存在」で
自分達が導いてやる、又は劣っているから同じ人間では無い
だからそいつらを奴隷にしてもいいのだ、という考えはあったのは
否めませんが、しょせん「同じ人間」なんですよね
それと、江戸幕府が善きものであったというのはいくら
なんでも持ち上げ過ぎで、あの250年以上続いた平和は
ほとんど全体主義的なやり方があったから続いたのであって
その中で抑圧や差別を受けた人達はいるのだから
必ずしも全員が満足していた訳でもないでしょうに…
「物凄く悲惨な戦争を世界中の人が経験すれば
みんなもう戦争をしようとなんか思わずに、世界は一つの国家になり
おのおのが平和に暮らしていく」というのがおおまかな
内容だと思いますが、確かに良い事は言っていると思います
そして宮沢賢治が出て来るのですが、分からない人はきょとんと
するかも知れませんが、実は石原莞爾とは「田中智学」という
宗教家で思想的に繋がっているんですよね
日本が太平洋戦争に突入した原因は、追い詰められた(と思った)
事によるものと、「八紘一宇」という思想が元なのですが
あのー、相手の事を考えていますかね?
ペリーが日本に開校を迫ったのは、もちろん船を停泊させる為の
港が欲しかったんでしょうけど、「お前ら未開人を俺たちが
文明化させてやる」というある種の「善意による思考停止」も
あったと思っていて、日本が主にアジアに戦争をした理由も
八紘一宇(世界を一つの家にする)という「善意による思考停止」なので
結局はおんなじな事に気づかないんですかね?
侵略された国々が、「お願いします、私たちを仲間に入れてください」
なんていつ言ったのでしょうか?
たしかに彼らの理想はとても高くて、理屈もうなづけない事も
ありませんが、どっちにしても「手前勝手な理屈の押し付け」でしか
なく、相手が同意していないんですよね…
「女性の視点」が全然出て来ないのも、どうなの?
人類の半分は女性なので、彼女たちがどう考えているのかも
考慮に入れていない感じもありますね
21世紀になった今、この最終戦争論なるものを読んでも
なんというか「幼いな」と上から目線になってしまいます
全ての試みは失敗に終わっているんですから
だって、別にアメリカに代表される資本主義社会が
勝者になったわけでもなんでもなくて、そこからは降りられないけど
決して我々は幸福ではなく、「詰んでいる」もしくは「行き止まり」
なんですから
この漫画、最後の方になると文字が多くなって来て
「これ漫画なの?漫画じゃなくて良くね?」となって終わります
思いますが、この人自分が批判している資本主義に
思いっきり乗っかっているんですよねー
売り上げ至上主義の漫画雑誌で、売れる要素をテンコ盛り
にした漫画で成功して豪邸を建てたり、高級外車を乗り回したり
自分が表現している内容と実生活が矛盾してるんですよ
たぶん本人にその事を問いただしても「俺はいいんだよ」
とかドヤ顔で言い放ちそうで、なんだかなー😑
kindleunlimitedで無料だったから読んでみましたが
やっぱり私は江川達也があまり好きではないのを再確認したのと、この人若干「ウヨ豚」入っているなーと多少嫌悪感も湧きましたね🤮