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男女の貞操観念が逆転し、ホモソーシャルが「猿の惑星」的に逆照射される 画:万太郎 作:天原 漫画「貞操逆転世界第1巻」感想

男女の貞操観念が逆転した世界に「転生」してしまった

ある女性が、その世界に馴染むための苦闘を描いた物語の感想です

 

 

<あらすじ>

主人公の市川さんは、入院中に同級生が

お見舞いに来てくれる

 

熱を計りに来てくれたお医者さん(男性)が

立ち去るのを見送った同級生ふたり(女性)は

「いやぁ、やっぱいいね看護師」とか

「昨日ちょうど病院モノのAV使ったし」と猥談を始める

 

「最近なにかおかしい」と異変に気づく市川さん

 

どうやら彼女、男女の貞操観念が逆転した世界に

「転生(転性?)」した模様

 

同級生の「川島」と「神崎」は病院に入院中に

なった際のエッチなシチュエーションを想像している

 

院内では、幼い女の子が、「立場を利用して」

男性の医者にセクハラをして、川島と神崎はそれを見て

羨ましがっている

 

退院に向けて市川さんは、病院の外に散歩がてら出てみると

そこにはなんと「もっこり水着の男性が出ているビールの広告」

を見つけ「水着とビールとなんの関係があんのよ?」と

彼女の頭は混乱していく…

 

<感想>

基本的にはギャグ漫画なんですよ

主人公で女子高生の市川さんが、具合が悪くなったので

入院し、目覚めるとそこは元居た世界では無くて

男女の貞操観念が逆転した世界になっていて

そこで我々が住んでいるこの現実世界がいかに

ホモソーシャル(男社会)」なのかが逆照射される

 

作中の表現をざっと挙げてみますと

・「乙女ゲー」が、「男が触手であんなことやこんなことをされちゃう」

 ゲームに変更されている

・女子生徒同士でエロ本を交換、エロ本屋でお互いの性癖を暴露して友達になる

・いわゆる「筋肉バカアクション映画」で「筋肉モリモリマッチョマン」

 の「汗ばんだ肉体」を執拗に舐めまわす様にカメラが撮影される

・作中が貞操逆転している世界なので、それをさらに逆転したエロ漫画を

 描いている女子にアドバイスしたら、「先生!」と呼ばれ尊敬される

・「あんたは何で〇〇〇を喪失したのよー」という話題で女子同士が

 盛り上がっているのを市川さんが怪しみ、ネットで調べる内にこの世界では

 「処女である事」に一切の価値が無く、「〇〇〇(流石に書けませんw)」

 がいまだにある事にドン引きされ、仕方なく「相手(察してください)」を

 探しにショップで物色するも、まわりの客に悟られて「あら~」等と

 微笑ましい光景になる🤣

 「初めての相手」が「〇ティック〇り」とか「〇っちょ」、「〇ッキン〇イス」w

 

等と、笑える展開なのですが、次第に考えさせる

話になって行き、市川さんは性的な話題を避けたくなり

友人とカラオケやショッピング、スイーツを食べ

「あれ、これは普通なんだ」と安心し、彼女は性的な

物が絡まない様な、アウトドアに興味が行き釣りを楽しむ

 

「放って置いて欲しくなった」んでしょうね😅

 

それと、男子に一番人気のある女子が、休み時間に

テニスをして男子から褒められる事で、自己顕示欲を満たすという男性的な

行動をしている場面で、市川さんが彼女に挑戦し

市川さんは敗けるけど、性的な物が関わらない純粋な

勝負が出来たので彼女は満足する

 

でも、相手は自分がなんらかの駆け引きをされたと

誤解しているくだりは、ちょっと考えさせられました

 

それと、貞操観念が逆転していても、「ルッキズム」は

健在なのは私たちのいる世界と同じで、「そこは変わらないんだ」と

 

第2巻は、この貞操観念が逆転した世界に男性も

「転生」して来て、やっぱり頭の中がしっちゃかめっちゃかになって行きます、おススメです\(^o^)/