Disney+独占配信ドラマ「マンダロリアン」S2チャプター9の内容がとても濃密だったので、これはシーズン毎に解説するのもどうかと思ってこの話の構造を解説してみます。
<解説>
冒頭、マンダロリアンことディン・ジャリンは仲間の情報を求めてギャンブル場に赴き、取り囲まれて自分のアーマーを奪われそうになるも、相手が侮っていたので逆襲し情報を聞き出し、相手を血祭りにあげる。
聞き出した情報を元にタトゥーインに行き、宇宙船を着陸させて今度はドロイドに修理させる。前回来た時とは違ってディンはドロイドに対する偏見が無くなっている描写。仲間がいると思われる村「モスペルゴ」の情報を聞き出し、そこに行くとかなり寂れた場所でルックがもう西部劇まんま。
情報収集の為にお約束の酒場に入りそこで仲間とおぼしき人物に会うも、そいつはマンダロア兵団の教義に反し簡単にアーマーを脱ぐ。そう、そいつは仲間では無く仲間のアーマーをどこからか調達し、その村の保安官を務めていた。アーマーを渡すよう要求し一触即発になるも、そこで化け物が登場。どうやら争っている場合では無い事がお互いに理解され、止む無く共闘する事になる。
保安官の説明によると、帝国崩壊後圧政から解放されたと思ったら今度は自分達は奴隷にされてしまうくだりは、エピソード6後の帝国崩壊後の混乱が感じられる。保安官はシリカックス・クリスタルという希少鉱物を持ち出し(それを入れた容器ですが、マニアの間だけに知られているガジェットで「カムトノ」と言うそうな)一文無しでさまよっているところをジャワ族に助けられる。
クリスタルを元手にジャワ族からアーマーを入手、アーマーのお陰で村から無法者を一掃出来たので保安官はどうしてもアーマーを手放したくないが、最後に残った悩みの種のドラゴン退治が出来るなら手放さないでもないという話。
保安官と一緒にドラゴンの巣を追っていくと、サンドピープルの集団に会い、ディンは彼らの番犬らしき生き物を手名付け彼らと手話の様なコミュニケーションを取る。ディンはアーマーをつけているのでパントマイムにも見えて面白い。
保安官はそこでサンドピープルからもてなしを受け、なんか臭い飲み物を飲むように言われるけど、彼は拒否する。一触即発になるけど、共通の目的があるのとディンの仲裁もあって治まる。
サンドピープルの事情を聞くと、彼らもドラゴンに手を焼いていてここでもまた共通の敵の為に共に戦う必要性に迫られる。村に戻り村人の助けを借りようとするも、過去サンドピープルに襲撃を受けたので村人は反発する。
スター・ウォーズ本家でアナキンの母親がサンドピープルに殺されているのを大半の視聴者は知っているので、サンドピープルに対する不信感には説得力がある。が、力を合わせないとどうしようもないのでディンがサンドピープルは確かに野蛮だけど約束は守るという事、彼らが欲しがっている物を提供する代わりに今後いっさい手出しはさせないという交換条件で全員が結束。
そしてドラゴンとの決戦になり、保安官が最初に出された飲み物を拒否していたけど、ここで彼はそれを飲み干す事からも一時的とはいえこの集団は結束している事が分かる。
ドラゴンとの戦いで、冒頭の話と同様の展開になり、相手の巣穴に飛び込むも、相手を熟知している事もあり苦戦はするけど、やはり最後には勝利し問題は解決されアーマーも手に入る。
その場を去るディン、それを見届けるひとりの男はどうやらあのボバ・フェットらしいというところで話が終了、脚本が上手くて映画1本分見た様な満足度。S1 チャプター4が「7人の侍」の翻案だったのと同じく、このチャプターも何かの西部劇映画の翻案なんですかね?
ボバ・フェット、あんた生きとったんかい!