映画評論家町山智浩さんが書いた、ホラー映画について解説している本の感想です。
<解説されている映画>
・へレディタリー/継承
・ポゼッション
・テナント/恐怖を借りた男
・血を吸うカメラ
・たたり
・狩人の夜
<感想>
私が映画をちゃんと観るといいますか、ただ漫然と観るのをやめてその映画がいったいどういう事を言いたいのかとかを自分なりに考える様になったきっかけをくれた人のひとりが町山さんで、たしか町山さんを知ったのは昔TBSラジオで放送していた「ストリーム」という優良番組(局側の意向で終わったっぽい)から、現在まで続いている映画解説のコーナーがありまして、それを聴いて初めて目が開かれた感じがしたんですよね。
町山さんが映画雑誌「映画秘宝」内で連載していた「イエスタデイ・ワンスモア」で、おそらく私は初めて映画評論という物を知り、映画の見方が決定的に変わりました。私が手元に置いている町山さんの著作としては「映画の見方がわかる本」と「<映画の見方>がわかる本 ブレードランナーの未来世紀」で(何故か電子書籍化されて無いので単行本で持っています)この2冊を元に、映画の感想をブログに上げる際の参考にしています。
で、今回紹介するこの本なんですけど、町山さんがホラー映画について解説をしている本なのですが、やっぱりプロは違うなと思ったのは、私が結構昔に観た「アメリカン・サイコ」の解説をしている箇所があって、観た当時は「なんか主役の男が気持ち悪いなー、捕まらないのかコイツ?」くらいにしか感想が無かったんですよね。
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でも町山さんの手にかかるとまず、この映画の原作小説と作者のブレット・イーストン・エリスという人がどういった経緯でこの小説を書いたのかを、作者に直接聞きに行っていたり、映画の舞台である80年代の時代背景について説明がなされたり、映画単品ではとても咀嚼出来ない事を解説してくれます。
そして、原作者によるとこの作品はホラー映画でもあるけど「ダークコメディ」でもあって、その理由を納得のいく説明の仕方で感心すること仕切り。
劇中かかる音楽についての説明や、主人公パトリック・ベイトマン(クリスチャン・ベール)が〇〇〇〇意味とか、ベイトマンが最後〇〇〇〇〇〇〇理由は、レーガン政権下のアメリカと絡めているとか、この映画の何が「ホラー」なのかを提示して終わらせる上手さには舌をまくしか無くて「ちゃんと調べるとここまで見えるんだ!」と、解析する快楽を感じます。
この本で解説されているホラー映画は、新しい物から古い物まであるので、どれかひとつでも観た作品があると思いますから、まずその映画の解説を読んで感心した後まだ観ていない映画を観賞後解説を読んで理解を深めるのに大いに参考になります!おススメです😆