スウェーデン出身の漫画家・イラストレーターのオーサ・イェークストロムさんが、自国と日本のカルチャーギャップについて描いた漫画の感想です。
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<感想>
外国人から見た、日本文化のいい所や、自国と比べてなんかおかしな事をしているなというカルチャーギャップを描く物って定番というか鉄板だと思っていて、この漫画の作者「オーサ・イェークストロム(以下オーサさん)」は13歳の時にテレビで日本のアニメ「セーラームーン」見て衝撃を受け、漫画家になると決め2011年に日本に引っ越してくる。
「観光客から見た日本」では無く「実際に日本に住んでみて感じた自国と日本の違い」を描いているところに本作のポイントがあり、オーサさんはそこで毎日感動したり不思議に思ったりします。
まず、食事ですが彼女はスーパーやコンビニで売られているおにぎりを食べる時、最初包装の解き方を知らなくて手こずるも、解き方が分かって(半年がかりw)感動したり、いちいち食品にカロリーが表示されているところに感心する(ちなみに彼女、自宅でやたらカップラーメンを食べている描写がありますが、ほどほどにね😅)
あと、よくある外国人が日本語を間違って使用するネタとして
「夏は暑いです」
と言う所を
「夏は暑いだ」
等と間違え、友達の間でバズるくだりは言語の問題で手こずる定番表現ですけど楽しいですね(それでも「ハンコ」を「〇んこ」と間違えたという冗談はワロエナイw)
外国人目線から日本人の安全に関する意識が心配になるオーサさんですが、この漫画結構最近の作品で、もう日本はそんなに安全とは思えないと私は感じているのですが、それでもスウェーデン人のオーサさん視点だとまだ日本は安全に見えて、日本人たちのうっかりしたところに彼女はとても心配になり、電車に乗っている時にカバンを開けたままにしている乗客を見て盗難の恐れを心配したり「そう言われてみれば確かに危ないな」と、読んでいるこちらの身が引き締まります。
彼女はいわゆる「シェアハウス」に住んでいて、そこでドアを開けようとして障子に手を突っ込み、何度も破いてしまうくだりはちょっと犬がいたずらして障子を破った時に似ていますw。オーサさんは日本の家屋の「畳」が苦手らしく「匂いが苦手なの」と言うけど、それはただ単に彼女がどうやら「片付けられない女」らしく、自分の部屋がゴミまみれのせいで匂っているだけで、たしかに見る限りバッチいんですよ(食べかけらしいカップヌードルにハエがたかっているとか)
それと、貞操観念というかファッションに関する考え方の差異も描かれていて、外出時にブラジャーが見えているのを友人に指摘されオーサさんは反省するも、日本女性がやたらミニスカートを履いていて、駅や学校でパンツが見えてしまうのを見て彼女の頭には「?」が浮かびまくる。浮気に対する考え方も違っていて、パートナーが浮気した場合には、スウェーデンではどうやら正直に相手に告白するけど(スウェーデンでは恋人同士は嘘をつかないらしい)日本ではそれを相手に告げなかったりする事に「日本怖っ」と引いたりします。
そして日本に慣れて来た頃、オーサさんは地元に帰省し今度は逆に日本の生活に慣れたせいか、地元なのに観光客になったみたいに感じて、食事の違いで具合が悪くなるとか外国に住んだ経験が無い身としては、見ていて驚きますね。さらに食事の話でオーサさんは地元の寿司屋に行くんだけど、そこは案の定というか「勘違い寿司屋」で、彼女は日本の寿司を恋しくなり、ある種ホームシックになるくだりは少し気の毒になります。
あと「スウェーデンと言えば『ABBA』だよね!」と見做される「ABBAの呪い」なるものがあるようで、彼女はカラオケに行くと必ず「ダンシングクイーン歌おう!」と必ず歌う曲を決められる「スウェーデン人に対する偏見」もこれまたお気の毒。
彼女の好きなアーティストは、日本でも有名な「カーディガンズ」👇
いわゆる「スウェディッシュ・ポップ」の代表的なバンドで、私も聴いていた時期がありますが、私は同じスウェーデンのバンドなら「クラウドベリー・ジャム」を推しますね。
👇今も現役のバンドですが、私は初期のこのアルバムがいちばん好きです。
その他「スウェーデンではやたらに健康に厳しくて食べ物にうるさい」とか「地震というものを知らない(!)」とか、挙げたらキリが無いのですが、カルチャーギャップ漫画として非常に優れています。
この漫画では日本の事が悪く描かれてはいないので、見ていて多少こそばゆいのですが、ここは素直に嬉しくなっていいと思いました、おススメです!